2007年3月27日(火)「しんぶん赤旗」

自民神奈川県連会長が激怒のワケ

ねじれ「対決」 不協和音


 自民党神奈川県連会長でもある河野太郎衆院議員が自民党執行部に激しく怒っています。同県選出の衆議院一回当選議員のもとに、中川秀直幹事長室からの指示だといって東京都知事選の石原慎太郎陣営の応援に入れという連絡が届いたからです。

 〇…神奈川県知事選では自民党県連推薦の候補者が出ています。他方、東京都知事選で石原陣営は自民党都連の推薦を返上し、“脱政党”を前面に打ち出しています。ところが石原氏は二十二日に横浜入り、なんと現職の松沢成文候補(民主、社民両党支援)に応援のエールを送りました。その余波が続いています。

 神奈川県選出の、ある衆院議員は「神奈川でたたかっている相手の応援に入ってきたヤツ(石原氏)のところになんで応援にいかなければいけないのか」。河野県連会長もメールマガジンで憤まんをぶちまけています。「だいたい(石原氏は)自民党の推薦もいらないといっている人じゃないの? 一体全体どーしちゃったんだ」

 〇…民主党にも似たような状況があります。民主党前選対委員長の安住淳衆院議員が、都知事で“脱政党無党派”を看板にする候補の選挙運動の舞台裏を暴いています。「自称無党派候補者なんて、私はナンセンスだと思っている。そういう候補者ほどポスターを貼(は)ってくれ集会をやってくれと政党に裏から頼んでくる。情けない話だが、これが実態だ」。

 安住氏がメールマガジンで明かす“自称無党派候補”が誰を指すのか容易に推察できます。安住氏の地元は宮城県。都知事選に出ている浅野史郎候補は、同県で三度にわたり“自称無党派”選挙を展開しました。

 〇…もともと「オール与党」体制で都府県政を進めながら選挙のときだけ対立軸を出そうとしても無理があります。

 自民党や民主党が政党対決を避ける背景は――。一つは地方政治で手を結んできた「オール与党」体制への有権者からの批判の“弾除(たまよ)け”効果を狙う、二つ目は政策の違いが出せないので候補者の顔の違いでたたかわざるを得ない、そして候補者に「脱政党」「無党派」を言わせることで政党としての有権者への直接責任を避ける――。これでは政党の堕落です。


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