2007年3月21日(水)「しんぶん赤旗」

外資系でスト続発

背景には約束の不履行

ベトナム


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 【ハノイ=鈴木勝比古】ベトナム南部の外資系企業でこのところ労働者の賃上げ、待遇改善を要求するストライキが続発しています。

 ドンナイ省ビエンホア工業区の日系企業マブチモーターで今月五日、三千六百人の労働者が「特別手当の計算が不正確だ」「ノルマ達成への評価が不適切で、手当の支給が公平でない」と訴えてストライキを決行しました。午前中は就労していた残りの三千五百人も、午後にはストに合流しました。

 労働者側によると、会社の規定にもとづく労働者の年次昇給は月額二万五千ドン(約百九十円)ですが、勤続七年以上の労働者の昇給は半分以下の月額一万二千ドンでした。「病気休暇のさいに減給された」「食事が劣悪だ」との不満もあります。

 会社側が労働者の要求実現を約束したことで、八日にストは収束し、労働者は九日から職場に復帰しました。

 十二日には三谷産業、原田工業、オールスーパー(台湾系)、アジア・ガーメント(シンガポール系)の各工場で、約四千人の労働者が賃金引き上げや労働条件の改善を要求してストを決行しました。

 三谷産業、オールスーパー、アジア・ガーメントのストは会社側が労働者の要求をほぼ受け入れて解決。オールスーパーは労働時間延長や日曜出勤の中止あるいは代休取得を約束しました。

 原田工業のストは十六日に収束。会社は労働者の要求受け入れを表明しましたが、ストを続けると解雇もありうると圧力をかけたとされます。

 十三日にはエピック・デザイナーII(香港系)の労働者が賃上げ、食事の改善を要求してストをしました。二十日時点でもこの工業区では、日系企業一社を含む三社で労働者がストをしていると伝えられます。

 ベトナム南部ではこれまでテト(旧正月)を前にしてボーナスの支給、賃上げ、諸手当引き上げを要求するストが起こっていましたが、今回はテト休暇が終わって、労働者が職場に復帰する時期です。テト前の約束を会社側が実行しなかったことが、スト続発の引き金となりました。

 南部の労働者の約70%が近隣の農村出身。毎年、テト休暇で帰省した労働者がこの機会により賃金の高い会社や実家に近い会社への転職をはかりますが、今年はテト明けの退職者が例年に比べて多くなり、5―7%にのぼっています。

 ドンナイ省労働総連盟のフイン・バン・ティン副議長(労働争議担当)は十四日、本紙に「省労働室、各工業区管理委員会、省労働総連盟、各工業区の労働組合が会社側との交渉に参加した。会社側はストの早期解決をめざし、善意をもって対応した」と語り、スト増加の背景について「物価が上昇しているのに、会社側が昇給に対応しきれていないからだ」と指摘しました。

 この数年間、日系企業をふくめ外国企業のベトナム進出が急増しています。これらの外資系企業で働く労働者はこれらの企業の本国の労働者に比べ、はるかに低い賃金と劣悪な労働条件で働いています。都市部では物価が上昇し、家賃も値上がりしています。こうした労働環境の悪化がスト続発の背景にあると見られます。


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