2007年3月5日(月)「しんぶん赤旗」

「史実否定許されない」

首相の「慰安婦」強制疑問視発言

中国の通信社


 【北京=菊池敏也】安倍晋三首相が「従軍慰安婦」問題で「強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実」などと発言した問題について、中国の新華社通信(電子版)は三日、「日本軍による『慰安婦』強制徴用の史実の否定は許されない」と題する論評を伝え、安倍首相らの発言を厳しく批判しました。

 同論評は、一日の安倍首相の発言をはじめ、塩崎官房長官や中山元文科相が「従軍慰安婦」問題を否定する発言を繰り返していることを注視し、「大量の歴史資料は『慰安所』が当時の軍当局の要求によって設置されたもので、当時の日本軍と政府が『慰安所』の設置、管理、『慰安婦』の移送などに直接、間接に関与していたことを反ばくの余地なく証明している」と指摘。六十年あまりが過ぎた現在でも、韓国、中国、フィリピン、オーストラリアなどには日本軍により強制的に「慰安婦」にされた生存者がおり、日本政府に謝罪と賠償を粘り強く求めているとし、「アジアの女性を強制的に『慰安婦』にした日本の犯罪行為の動かぬ証拠は山のようにあり、否定することは許されない」と批判しました。

 同論評は、日本の要人が「慰安婦」問題には事実の裏付けがないなどと発言をしている目的は、「『慰安婦』問題の犯罪的性格を弱め、歴史の責任を逃れ、さらには軍国主義の名誉回復を企てることだ」と分析。こうした日本側の主張は「かつて日本に侵略され、隷属させられたアジア諸国の人民の反感と怒りを買うだけで、アジア隣国との友好協力関係の改善・発展にもマイナスだ」と警告しました。


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