2007年3月2日(金)「しんぶん赤旗」
新幹線新駅工事費
栗東市の起債は違法
住民の訴え認める
大阪高裁 市の控訴を棄却
滋賀県栗東(りっとう)市内にJR東海が新幹線新駅を建設することで、栗東市が地元負担の工事費のうち約四十三億円を起債(借金)でまかなうのは地方財政法違反と、市民や日本共産党市議ら八人が起債差し止めを求めた裁判で、大阪高裁(若林諒裁判長)は一日、一審に続き住民の訴えを認め、市の控訴を棄却しました。
訴えは、JRの新駅工事で仮線(迂回<うかい>路)建設費に起債を充てるのは、起債目的を「公共施設の建設」に限定した地財法に違反するというもの。
一審の大津地裁は昨年九月、「仮線工事費は道路工事費に比べてあまりに巨額で、経済的合理性を欠き、市の説明はいかにも無理がある」と、地財法違反、起債差し止めの判決を出しました。
高裁判決は一審判決を受け継ぎ、仮線は道路工事に必要という市の主張について「新駅工事を後から道路工事と理由付けたもので、工法を真摯(しんし)に検討したはずがなく、工事費用の試算も原審判決以後、急きょ作成された」と全面的に退けました。
判決について原告代表の玉田實氏は「五年間、新駅は無駄、将来に大きな負担を残すと訴えてきたが、司法の場でも認められるまでになった。市は理不尽な計画をあきらめ、市民の暮らしを守る市政にしてほしい」と話しました。原告側の吉原稔弁護士は「一審以上に明確に、仮線は新駅工事のためで、起債は許されないとした判決で、完全勝訴。無駄な公共事業へのきびしい司法の判断があらわれたものだ。公共のためと理由付けし、財源に起債を『打ち出の小づち』のようにするやり方にストップをかけた裁判で、全国の住民運動に役立つ」とのべました。

