2007年2月21日(水)「しんぶん赤旗」

アメリカの軍隊の仕組みって?


 〈問い〉アメリカには徴兵制はあるのですか? どんな軍隊の仕組みになっているのですか? 沖縄にいる海兵隊は人殺し部隊といった人がいるけど、そうなのですか?(埼玉・一読者)

 〈答え〉 アメリカ合衆国の軍隊は、陸軍、海軍、空軍、海兵隊の4軍で構成されています。

 4軍を統括する国防総省は、世界を5つに分割し、そこに、北方軍(北米)、南方軍(中南米など)、太平洋軍(アジア・太平洋)、中央軍(中東・アフリカなど)、欧州軍(ヨーロッパ)と呼ばれる地域統合軍を配置しています。

 地域統合軍のほかに、特殊作戦、統合戦力、戦略、輸送という機能別の4統合軍があります。

 国防長官は、国防総省の責任者であり、その上に立つ米軍の最高司令官は大統領です。制服組のトップは、統合参謀本部議長ですが、統合参謀本部は、大統領―国防長官―各統合軍という作戦指揮命令系統から切り離されています。

 米国の軍事費、米軍の規模・戦闘能力は、いかなる国の軍隊もはるかにしのいでいます。

 総兵員数は141万人で世界2位ですが、軍事費は約4500億ドル(2005年度、54兆円)で、世界にある他のすべての国の軍事費を合計した額とほぼ同等です。

 米軍が他国の軍隊と違うのは、世界を米軍基地の網の目で覆い、展開・駐留していることです。

 在日米軍は太平洋軍の管轄で、5万人規模が沖縄をはじめとする日本各地に駐留しており、日本は、ドイツと並び、米軍基地が最も集中している国です。

 ブッシュ現政権のもと、テロや大量破壊兵器の拡散など「新たな脅威」に対処するため、地球規模での米軍再編が進められています。

 陸海空軍とともに、海兵隊が確立された軍になっているのも米軍の特徴です。海兵隊は、陸海空の攻撃すべてに従事でき、他国領土への上陸作戦・即応展開をおこなう任務を持ちます。侵攻を始める「切り込み」的な役割から「殴りこみ部隊」といわれ、任務遂行のため兵士は「殺人マシーン」につくりかえられます。沖縄には、3個海兵遠征軍のうちの1つが、米本土以外では唯一、配置されています。

 基本的に徴兵制はなく志願制。4軍のほか、平時は国家安全保障省が管轄する沿岸警備隊があります。また予備部隊としての任務ももつ州兵(45万人)が存在します。(遠)

 〔2007・2・21(水)〕


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