2007年2月12日(月)「しんぶん赤旗」

土壌汚染

孫子の代に負の遺産

東京・築地市場 移転考えるシンポ


 食の安全・安心は確保できるのか―。石原慎太郎東京都知事がすすめる築地市場(中央区)の移転計画で、移転先の土壌や地下水が有害物質で汚染されている問題をめぐり十一日、同区でシンポジウムが開かれ、市場関係者や市民ら二百五十人が参加しました。主催は、日本環境学会と日本科学者会議公害環境問題研究委員会。

 移転先は江東区の東京ガス豊洲工場跡地。環境基準を超えるベンゼン、シアン、ヒ素、水銀、六価クロム、鉛などの有害物質が検出されています。

 シンポジウムで大阪市立大学大学院の畑明郎教授(日本環境学会会長)は、東京ガスが行っている対策で「海抜二メートル以上の土壌を環境基準以下にしても、下部に土壌汚染と地下水が放置され、潮位の変化などにより汚染地下水が上昇し、表層土壌の再汚染が起こる恐れが十分ある」と報告。

 坂巻幸雄日本環境学会副会長は、豊洲が地盤のゆるい埋め立て地で、マグニチュード7クラスの首都直下型地震の際、「液状化」や「側方流動」などを起こしやすいと危険性を指摘しました。

 岐阜環境医学研究所の松井英介所長(医師)が有害物質の人体への影響を、佐藤克春氏(一橋大学大学院経済学研究科博士課程)が、都心部における土壌汚染対策の現状と問題点をそれぞれ報告しました。

 討論では、服部津貴子学校法人服部学園・服部栄養料理研究会会長が築地は海外専門家の評価も高く、「移転すれば、子どもや孫の時代へ大きな負の遺産を残してしまう」と発言して拍手につつまれました。

 日本環境学会などはシンポジウムの後、記者会見し「築地市場の豊洲移転に反対し、現位置での再整備を要求します」との声明を発表しました。


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