2007年2月10日(土)「しんぶん赤旗」

石原知事交際費

自民議員と私的会合も

共産党都議団 使途公開・返還を要求


 公費での「飲み食い」代、千六百十五万円が闇(やみ)の中―。日本共産党東京都議団が九日、明らかにした石原慎太郎東京都知事と側近による交際費での飲食・接待の実態は、高額で違法性の強いものが多いうえ、ここで都政の重要問題が話し合われており、「密室の飲み食い政治」が都政をゆがめている疑惑が浮き彫りになっています。

 東京地裁は一月三十日、石原知事の交際費支出十一件中、二件を違法とする判決を出しました。この裁判のなかで、都側は、一部の飲食について交際費支出の目的と相手を不十分ながら、明らかにせざるをえませんでした。そこから浮き彫りになってくるのは、羽田空港の再拡張、秋葉原再開発、新銀行東京、米軍横田基地の軍民共用化、トーキョーワンダーサイト事業、ジェット旅客機開発など、知事がトップダウンで都政にもちこんできた政策や事業が「密室の飲み食い」のなかですすめられてきたことです。

 二〇〇三年五月二十九日の飲食は、羽田空港再拡張に絡む話し合いだったことが同裁判で明らかになりました。このとき、石原知事と浜渦副知事、元運輸省官房長の棚橋泰参与らが出席。

 当時、羽田空港拡張については、東京都など地方自治体が本来、必要のない費用負担をおこなうのかどうかが大問題になっていました。前年の十二月、石原知事は自治体負担に反対の意見書をだしていましたが、その後、態度を変え、一千億円の費用負担を決めています。

 交際費支出基準に違反する政治家などとの飲食もあります。

 都の支出基準は、公務員に対しては、慶弔などで知事が特に必要と認めるものに限り支出が認められていますが、接遇・懇談での支出は認めていません。ところが、公務員扱いの都参与、都教育委員、国会議員などに対し、交際費による接遇や接待が繰り返されています。都の特別職である参与(都は接待の相手であると主張)を除いても、二十回、約百五十三万円が公費から支出されています。

 〇一年三月十三日、石原知事は、渡辺喜美行政改革担当相や知事の長男の石原伸晃自民党幹事長代理、塩崎恭久官房長官、根本匠首相補佐官(肩書はいずれも現職)らと飲食しています。石原知事はこの会合で、自民党内の若手政策グループの結成を提案しています。

 共産党都議団は「自民党内の私的な政治グループ結成という都政にかかわりのない接遇・懇談に税金が使われたことになる。知事はただちにこの費用を都に返還すべきだ」とし、石原知事に交際費による「飲み食い」の全貌(ぜんぼう)を明らかにするよう求めています。


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