2007年2月10日(土)「しんぶん赤旗」

グアム移転負担へ特例

米軍再編 協力自治体に交付金

関連法案閣議決定


 政府は九日、日米両政府が合意した在日米軍再編を促進するための関連法案を閣議決定しました。沖縄の米海兵隊のグアム移転経費を日本側が負担するための措置や、在日米軍再編の対象となっている基地を抱える市町村に「再編交付金」を交付するなどの仕組みを創設するのが柱です。二〇一七年三月末までの十年間の時限立法で、政府・与党は今国会中の成立を急ぐ構えです。

 グアム移転経費の負担で、政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)が出資や融資を行うことができるようにするため、同銀行の業務に特例を設けることなどを盛り込んでいます。

 日米両政府は、グアムで米軍基地を強化するための海兵隊移転経費のうち、日本側が約七千三百億円(六十・九億ドル)を負担することで合意しています(昨年五月)。海外の米軍基地を増強するために税金を投入する例は、歴史的にも国際的にもありません。法案は、異常な費用負担を可能にするものです。

 また「再編交付金」は、再編計画の進ちょく状況に応じて交付金を増額していく“出来高払い”の仕組みで、最後まで自治体に協力を強要するのが狙いです。「再編交付金」とは別に、再編による影響が特に大きい市町村に対し、公共事業への国の補助率を増やす仕組みもつくります。

 政府のやり方に対し、再編で基地強化が押し付けられる地元では「受け入れに反対する住民の声をカネで封じ込めることにもなりかねない」(北海道新聞一月七日付社説)などの批判もあがっています。


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