2007年2月7日(水)「しんぶん赤旗」

嘉手納基地 パラシュート訓練強行

米軍HP「降下地帯」の存在指摘

SACOの合意に違反


 沖縄の米空軍嘉手納基地で先月二十六日、地元自治体の中止要求を無視し、パラシュート降下訓練が八年ぶりに強行された問題で、同基地に恒常的なパラシュート降下地帯が設けられている可能性のあることが分かりました。


 今回の降下訓練について米空軍がホームページに掲載したニュース(二月二日付など)は、嘉手納基地には「パラシュート降下地帯(ドロップゾーン)」があると指摘。同地帯は、「対テロ」作戦で二〇〇二年二月にフィリピンで死亡した同基地所属の米兵をたたえるために、その米兵の名前が付けられていると説明しています。

 降下訓練当日、中止要請を行った宮城篤実嘉手納町長らに、基地側は「(同訓練は)今回限りではない」と述べており、「パラシュート降下地帯」の継続的な使用が狙われている危険があります。

 さらに同ニュースは、今回の降下訓練が、死亡した米兵の名前を「パラシュート降下地帯」に付けたことを記念して行われたものだと説明。その米兵が所属していた同基地の第三二〇特殊戦術中隊や、第三一救難中隊の隊員計六人が「セレモニー(儀式)として降下地帯へ飛び降りた」と報じています。

 今回の訓練は、パラシュート降下訓練は沖縄の伊江島基地で実施するとしたSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意に反して実施されました。

 日本政府は、今回の訓練について、伊江島の天候などの事情から「訓練所要を満たさない米軍兵士が多数生じている」ため、「人命救助のための体制維持のため緊急を要する六名の救難隊隊員によりパラシュート降下訓練を実施する」と米側から説明を受けているとしてきました。

 しかし米空軍発表のニュースには、こうした説明は一切ありません。


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