「人格と尊厳を否定」

志位委員長と記者団との一問一答

　日本共産党の志位和夫委員長が三十一日、安倍首相に柳沢厚労相罷免申し入れをおこなった後の記者団との一問一答は以下の通りです。

◇

　記者　官房長官にどのような申し入れをおこないましたか。

　志位　柳沢大臣の罷免を要求しました。「女性は子どもを産む機械」という発言は、女性の人間としての人格と尊厳を否定する、最低・最悪の許しがたい発言だと。くわえて、厚生労働大臣という、国民の健康、労働、福祉にかかわる人権を守ることを職責としている大臣としては二重に許しがたいと。

　そして、総理はこの問題で厳重注意ということですませようとしていますが、それですむと考えているとしたら、安倍内閣全体の人権にたいするモラルが柳沢大臣と同じレベルになりますよということを私は申して、ただちに罷免することを要求しました。

　とくに予算委員会との関係が問題になってきます。予算委員会では今後、国民の暮らしの問題が重大なテーマになってくるわけで、予算委員会の審議をまともなものにするうえでも、予算の審議が始まる前に罷免の決断をすべきだということを強く求めました。

　記者　官房長官からはそれに対してどのような発言がありましたか。

　志位　官房長官からは「総理の方から厳重注意をしている。女性を傷つける発言で大変申し訳ないことだ」ということが繰り返されました。しかし、「総理としては反省したうえで、職責を果たすようにといっている」と繰り返しました。私の方から、「それでは一つお尋ねしたい。女性を傷つけたと、どういう点で傷つけたという認識をもっているのか」と聞きました。

　「私たちは女性の人間としての人格と尊厳を否定する、そういう意味で非常に深刻な発言だと受け止めているが、そういう認識はあるのか」と聞きました。

　官房長官は「それに近い発言だと思う」とまで答えました。たんに傷つけたというだけでなく、人格と尊厳の否定ということも事実上認めたわけで、「そうなってくるといよいよもって資格なしということになるではないか」と申しましたが、それに対する答えはありませんでした。

　記者　予算委員会を前に決断するようにとのことですが、仮に予算委員会の前に決断がない場合はどのように対応しますか。

　志位　きょう、予算委員会を前に罷免の決断をせよと申し入れたわけですから、それに政府がどういう対応をしてくるか、それをよくみて行動します。