2007年1月30日(火)「しんぶん赤旗」

「手取り増えた!?」はトリック

政府が増税隠し


 「おっ、手取りが増えている」。一月の給与明細が配布された職場で、こういう声が上がっています。喜ぶのは早すぎます。給与明細に記された所得税額には一月から実施された定率減税全廃による増税も隠れています。

 一月の給与明細では、昨年十二月の給与明細と比べて所得税額が減額。これによって、手取り収入が増加しました。

 これは、国から地方へ税源を移し替える税源移譲の影響です。

 税源移譲による所得税の減額が、定率減税全廃による増税額を上回るため、一月から五月までは、先月までの税額を下回ることになります。

 しかし、手取りが増えるのも五月まで。今年六月には、税源移譲に伴う住民税増税とともに、定率減税全廃の影響が庶民の家計に響いてきます。

 一月二十日、朝刊各紙に「所得税(国税)は一月から、住民税(地方税)は六月から納税額が変わります」という政府広報が掲載されました。

 同広報は税源移譲では所得税と住民税を合わせた「年額の納税額は基本的に変わりません!」と強調。その下に小さい文字で、実際の納税額には、二〇〇七年度から定率減税が廃止されることなどに「ご留意ください」と書きこんでいます。

 この「留意」こそが問題です。〇七年は年間を通せば、定率減税全廃分だけ所得税と住民税が増税になります。

 どれだけの増税になるのか。所得税の定率減税の全廃による年間の増税額は、〇六年分給与所得の源泉徴収票を見れば分かります。「年調定率」の項目に書きこまれた税額がそっくりなくなります。この額が増税額になります。


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