日本共産党

2002年12月4日(水)「しんぶん赤旗」

有明海特措法が成立したが…


 〈問い〉 与党の有明海特措法が成立しましたが、「再生」のために何をしようというのですか。(千葉・一読者)

 〈答え〉 十一月二十二日、与党三党が提出していた有明海特措法(有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律)案が、与党三党と自由党・社民党の修正のうえで成立しました。日本共産党は民主党とともに反対しました。

 この法律は、有明海・八代海の「環境の保全及び改善」「水産資源等の回復」を名目としています。しかし、両海域の環境悪化を引き起こした根本原因を究明し、対策を立てる方向づけが不明確です。とくにいま焦点となっている、諌早湾干拓の中止・徹底的な影響評価・抜本的見直しがないことは重大です。

 同法では、国が策定する「基本方針」をもとに、長崎・佐賀・福岡・熊本・鹿児島の沿岸各県が「県計画」を定め、事業には地方債発行の「特別の配慮」などの優遇措置がとられます。埋め立てなど将来にわたる開発行為への規制はどこにもない一方で、「県計画」には下水処理施設や河川・港湾整備など、公共事業が列挙されています。個別には必要な事業があっても、環境への影響も考慮せずに諸事業が実施されれば、逆に新たな環境破壊となりかねません。

 「環境の保全」名目の漁港漁場整備事業には、通常よりかさ上げされた国の補助金が交付されます。海底にたまった汚泥を砂でおおう覆砂事業が有力ですが、これまでの有明海域の実績では、覆砂しても新たな汚泥たい積などで水質が悪化し、効果が持続しません。覆砂用の砂の採取で新たな環境破壊も指摘されます。諌早湾干拓事業に参加したゼネコンらが覆砂事業の受注企業にも名を連ねています。

 政府は八月に諌早湾干拓工事を再開し、沿岸漁民や住民らは工事差し止め訴訟に乗り出すなど運動を強めています。与党の有明海特措法は干拓工事を強行する政府を何ら制約せず、有明海再生への住民の願いとは遠く隔たったものです。

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 〔2002・12・4(水)〕


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