2002年11月26日(火)「しんぶん赤旗」
アメリカによるイラク攻撃の緊張が高まるなか、沖縄米海兵隊による県道104号線越え実弾射撃演習の本土移転訓練が二十五日、山梨県の北富士演習場(富士吉田市、忍野村、山中湖村)で始まりました。
同演習場で移転訓練が行われるのは、昨年十一月に続き五回目。午前七時三十五分から155ミリりゅう弾砲の射撃が開始され、「ドン」というさく裂音が富士山ろくに響きました。演習の観測・監視行動を行っている「沖縄米軍は北富士に来るな実行委員会」によると、演習が終了した午後四時二十分までに、二十五発の着弾音を確認しました。
同実行委員会に参加する山梨県平和委員会の小林正巳代表理事は、「米軍は『沖縄の訓練と同質・同量』という約束すらほごにして、年々規模と質を強化しています。さらに、北富士使用協定に反するNBC(核・生物・化学兵器)訓練が『一般訓練の一環』として行われようとしていることも重大です」と語ります。
この日、同実行委員会主催の「11・25沖縄米軍演習反対山梨県集会」が忍野村で開かれ、約九十人が参加。雨のなか、村内をデモ行進しました。
集会とデモに参加した、春日居町の手塚敬子さん(21)=歯科衛生士=は、「住民を困らせ、いろいろな被害を出しながら演習がされていることを多くの人に訴え、演習をやめさせることにつなげたい」と語っていました。