日本共産党

2002年11月4日(月)「しんぶん赤旗」

日本共産党の値うちを大いに語ろう

躍進のつどいでの不破議長のあいさつ

赤旗まつり


 日本共産党の不破哲三議長が三日、赤旗まつり会場で行われた「東京躍進のつどい」で、おこなったあいさつの大要は次のとおりです。

「政党の衰弱」が言われるなかで日本共産党の役割はいよいよ前面に

 「躍進のつどい」にお集まりのみなさん、不破哲三でございます。みなさんの熱気を体全体にうけとめながら、ともにたたかう決意をこめて、ごあいさつをさせていただきます。

 目の前にある二つの選挙は、どちらも二十一世紀で最初の選挙――最初の総選挙であり、最初のいっせい地方選挙です。いま私たちは、二十一世紀という新しい時代の激動を、さまざまな形で感じています。とくに、日本では、政治情勢が、深い意味で激動の前夜というか、大変異常な時期を迎えています。与党・野党を問わず、多くの政党が、内政でも外交でもはっきりとした戦略目標をもてないでおり、選挙戦でも、語るべき政策争点を見失っている。こういう状況が強くあるからです。これは、戦後の半世紀を超える政治史の中でも、異例のことです。

 この間、十月二十七日に、七つの地方で国政の補欠選挙がありました。選挙戦の結果としては、自民党陣営が七つのうち五選挙区で勝ちましたが、投票結果を伝えた翌日の新聞は、一致して「政党の衰弱」、「政党の無節操」、「政党不信」、「政策の埋没」、こういうことを選挙戦の最大の特徴としました。

 そのなかで、ある新聞では、政治部長さんが、論評のなかで「表向き勝利した自民党を含め、有権者に明快な選択肢を示し得ない政党の衰弱を改めて浮き彫りにした」と書きました。この方は、選挙戦最後の夜の模様を、つづく文章で次のように書いています。

 「26日夜、JR千葉駅前で参院千葉選挙区各陣営の『最後のお願い』を聞いたが、予想以上につまらなかった。国政の焦点である不良債権問題や税制改革で具体的な政見を語ったのは共産党だけ。自民党は『景気対策』を、民主・自由・社民3党連合軍は『反・利権政治』を訴えたが、いずれも散漫で迫力がない」(「毎日」十月二十八日付)。

 みなさん。この情景は、現在の日本の政治状況の特徴――「政党の衰弱」といわれる一般的な状況と、政党本来の姿勢をいよいよ前面に打ち出している日本共産党との対比が、ありありと描き出されているではありませんか。(拍手)

 そのことは、日本共産党の得票率の前進にも具体的にあらわれています。多くの選挙区で二倍、三倍という前進をしました。

 昨年の参議院の比例代表選挙に比べると、山形四区では、6・9%から19・7%へと約三倍の前進であります。大阪十区でも10・9%から18・8%へと二倍近く、千葉選挙区(参院)では7・5%から17・5%へと二倍半の前進。新潟五区でも、5・3%から10・6%でちょうど二倍になりました。(拍手)

 みなさん、ここには、いまの政治状況の大きな流れがはっきりと現れているではありませんか。(拍手)

現実政治のなかでの日本共産党の活動を見てください

――経済危機、北朝鮮・イラク問題

 政治の実際の状況を見てみましょう。

 長引く不況のなかで、国民生活の状況も中小企業の状況も深刻であります。こういう時に政治の最優先の課題となるべきことは、国民の生活と経営をどう守るかであります。しかし、政党の中で、正面からこの問題で政策を打ち出しているのは日本共産党だけであります。九月二十七日に発表した「深刻な経済危機から国民の暮らしをまもるための四つの緊急要求」がそれであります。

 他の党は、与党も野党も、「不良債権処理」最優先――ブッシュ政権に押しつけられた不況促進政策の大枠から抜け出せないでいます。

 外交ではどうでしょうか。日本共産党は、この分野でも国民の利益と道理にたった外交戦略をもって、一貫した活動をすすめてまいりました。北朝鮮問題でも、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)がテロ事件や拉致事件など、無法な国際活動に乗り出した時、正面から厳しくこれを批判したのは日本共産党だけでした。また、これらの問題を解決するために、北朝鮮の無法をしっかり批判しながら、拉致問題などを含めた包括的な国交正常化交渉のルートを開くことを、先駆けて提唱してきたのも日本共産党です。そういう批判や提唱が、まさにいま、現実の政治に生きているではありませんか。(拍手)

 さらに、いま世界平和の最大の脅威となっているのがイラク攻撃の問題であります。八月の中国との首脳会談、九月のベトナムとの首脳会談で、私は、先制攻撃は国連憲章に照らして許されない、アメリカのイラクへの軍事攻撃には反対だということで、両国の首脳と明確な一致に到達しました。緒方靖夫参院議員を団長とする代表団が中東諸国を歴訪して、当のイラクに国連決議を守りぬくという確約をさせるとともに、アラブの五カ国と軍事攻撃反対、平和の擁護という点で完全な意見の一致をみました。(拍手)

 このアラブ五カ国の中で、共産党の活動が認められているのはヨルダンだけ、あとの四カ国はどこも共産党が認められていない国です。そういう国の政府と日本共産党が堂々と話し合って意見の一致をかちとる、ここまでわが党の外交活動はすすんでいるのです。

 多くの国の代表が、緒方さんに対し、「こういう立場での活動を日本の政府にやってもらいたい」と表明したそうでありますが、ここにもわが党の外交活動の値打ちが現れているではありませんか。(拍手)

 日本共産党が国民の立場にたった明確な戦略目標を持っていることは、選挙での訴えだけでなく、こういう現実の活動の中でもはっきり現れているということを、私はみなさん方に、とくにご報告申し上げたいのであります。

地方政治でも“自共対決”の総決算は明白

 いま、日本の政党で問われている最大の問題は、経済でも外交でも、どの党が国民の立場に立った戦略と目標をもっているかということです。「政党の衰弱」が問題になるなかで、日本共産党のこの値打ちを広範な人びとの間で語ることがいま、何よりも重要であります。

 地方政治でも同じであります。自民党中心の従来型の政治は、いまやその破たんを自民党自身が認めざるをえなくなっています。自民党の行政改革推進本部長という役職にある太田誠一という人が、日本の公共事業について「三つの大バカ事業がある」といったとのことです。何が「大バカ事業」かといいますと、第一は四国と本州の間に三本の橋をかけたこと、第二は、関西国際空港を造ったこと、第三は東京湾横断道路を通したこと、これの三つだそうであります。

 そういうハシにも棒にもかからない「バカ事業」はこれだけではありません。東京都の「臨海副都心開発」も同じ仲間に数えられるでしょう。

 そして、そういう事業を全国で無数にやってきて、地方自治体をムダな大型事業の推進機関に変えてきたのはだれか、自民党ではありませんか。そしてこれに反対して、住民に背を向けた政治をやめ、福祉・教育をはじめ住民の利益中心の政治、公共事業についても住民の利益に直結する事業への切り替えを主張して、一貫して頑張ってきたのが日本共産党です。これは明々白々な歴史の事実ではありませんか。(拍手)

 みなさん。二十一世紀はこういう政治をこそ求めているのであります。今日の政治の混迷状況を切り開く道は、日本共産党の躍進以外にありません。このことに確信を持って頑張りぬこうではありませんか。(拍手)

前半戦(知事選)と後半戦(政党選択)の関係

――東京の選挙の特質をしっかりつかむ

 最後に一言申し上げます。東京のいっせい地方選挙には、他の地方にはない特質があります。前半戦、後半戦とあるなかで、東京では、前半戦は知事選だけで、党派が議席を争うのは、後半戦の区市町村議選だけということであります。こういう特質は、東京などごく一部の地方に限られたものです。

 私は、みなさんと一緒に東京でのいっせい地方選挙を長くたたかってきたものとして、この特質をはじめから、きちんと腹におさめておかないと、思わぬ失敗や困難を招くことになるということを、最後に申し上げたいのです。

 知事選挙と党派の議員選挙とは性格が全く違う選挙です。知事選には、われわれの頑張りのいかんだけでなく、別の政治力学が働きます。知事選に力をつくすのは当然ですが、知事選が思い通りにゆかなかったといって、それで落胆したり、後半戦をたたかう意欲を失ったりしたら、政党の状況にどんなに躍進の条件が生まれても、その条件をつかむことができないということになってしまいます。

 率直にいって、前回はこの問題点が非常にはっきりでた選挙でした。前半戦は、全国では、日本共産党の躍進がたいへん実感される結果になりました。実際に道府県議選では得票は二百四十六万から四百二十八万に74%増えました。議席も九十八議席から百五十二議席へと、五十四議席増えました。こうして前半戦では全国的には躍進の実感と熱気にあふれたのです。しかし東京では、知事選挙は前回の二十八万から六十六万になり、二・三倍の票を得て、九〇年代最高の得票を得ながらも、自分が思ったほど伸びなかったということで、落胆の傾向がかなり強く広がりました。これを乗り越えて後半戦をたたかうのに、大変な苦労をしたことは、多くの方が思い起こしていただけることだと思います。

 今度の選挙でも、同じことを繰り返してはなりません。二つの選挙の性格の違いを最初からきちんとつかむことが大事であります。

 前半戦で知事選に全力をつくすとともに、その結果いかんにかかわらず、後半戦の党派選挙での全員当選をめざし、思う存分に力を発揮してたたかう。ここに東京のとりくみの大事なかなめの一つがあることを強調したいのであります。(拍手)

 みなさん、二つの選挙戦は、わが党がここで躍進を勝ち取るならば、それは必ず二十一世紀の未来を開くしっかりした足場になる、そういう大事な選挙であります。ともに力をつくして頑張りぬきましょう。(拍手)

 


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