2002年10月28日(月)「しんぶん赤旗」
【ベルリン26日坂本秀典】「戦争を事前にやめさせよう」の共通スローガンを掲げて二十六日、ドイツ七十以上の都市で、ブッシュ米政権のイラク攻撃に反対する大規模な集会とデモが行われました。ベルリンの三万人はじめ、フランクフルト、シュツットガルト、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ケルン、ハノーバーなどあわせて数万人が参加。この日米国を含め世界各地で行われた反戦行動に連帯を表明しました。
この行動はドイツの三十五団体が加盟する「平和の枢軸」が呼びかけたもの。呼びかけは、独政府の「戦争不参加」の態度を歓迎するとともに、ドイツがなおクウェートに装甲車部隊、湾岸海域に海軍を配置しており、米軍支援の懸念があるとし、部隊の撤収を要求。政府にたいし、「イラクを攻撃する米軍にドイツ領空、独国内の米軍基地を使わせない、アフガニスタン、バルカン半島での作戦参加の拡大を含め、米英軍に対しいかなる間接的な支援もしない」よう求めています。
ベルリンでは午後、市内中心部のアレクサンダー広場で集会が開かれました。平和団体、労組、市民団体、宗教者、アラブ移民団体などと共に、左翼の民主的社会主義党(PDS)、ドイツ共産党(DKP)だけでなく、連邦与党の90年連合・緑の党、社会民主党(SPD)からも多くの参加が見られました。
集会では、九月の連邦議会選挙で平和を訴え、ベルリンの小選挙区で当選した緑の党のシュトレーベレ議員があいさつ、「石油支配を狙う米政権のイラク攻撃を阻止しよう、ドイツ政府が米政権の国際的に不法な戦争を支援することはドイツの基本法(憲法)にも反している」と述べました。
SPDの旗を持って集会に参加したモニカさんは、「コソボでもアフガン問題でもドイツ軍の参加や軍事支援に反対してきました。政府の態度を評価する」といいます。フィンランドからの留学生ウィルクーネン君は「資本主義はグローバル化によって貧富の差を広げ、今日のテロや国際紛争の原因をつくっている」と集会参加の動機を語りました。
参加者は、ブランデンブルク門、米英大使館に向けて市内をデモ行進しました。