2002年10月7日(月)「しんぶん赤旗」
【ローマ5日島田峰隆】イタリア全国の約七十都市で五日、米国の計画するイラク攻撃とイタリアの参戦に反対する取り組みが一斉に行われました。経済のグローバル化(地球規模化)の問題に取り組む「イタリア社会フォーラム」が中心になって呼び掛けたもので、各地でデモ行進、座り込み、反戦展示会やビラ配りなど多彩な活動が終日行われました。
ローマでは約三万人(主催者発表)が市内をデモ行進しました。隊列の先頭には「イラク戦争を止めよう」とかいた大横断幕が掲げられ、「戦争は何も解決しない」「殺人はもうごめんだ」「ブッシュ(米大統領)の戦争に反対」などと訴えながら歩きました。
「戦争にノー」とかかれたTシャツを着て参加したフィアレさん(29)は「イラク攻撃はテロ対策というが、武力で報復すればテロリストからまた報復を受けると思う。それに戦争で死ぬのは市民です。米国は戦争に反対する人々の声を聞いてほしい」と話していました。
イタリアの週刊誌『エスプレッソ』最新号に掲載された世論調査によると、国連による武力行使の決定なしに米国が軍事介入することには83%が反対です。イラク側に国連決議不履行があった場合でも53%の人が軍事介入には反対とこたえました。
九月にイタリアの著名人九十人が呼び掛けたイラク攻撃とイタリアの参戦に反対する署名にも、五日の時点ですでに二十一万人以上がインターネットを通じて署名しています。
欧州連合(EU)国防相会議が開かれたギリシャ・クレタ島のレチムノンで約三百人が対イラク戦争反対を訴えて会場近くをデモ行進しました。
オーストラリアの米軍情報収集施設前でも数百人がデモ行進し、米国に抗議するとともに、オーストラリア政府が米軍に協力しないよう要求しました。