日本共産党

2002年10月6日(日)「しんぶん赤旗」

残業時間の上限を定めた大臣告示とは?


 〈問い〉 残業時間の上限を定めているという、大臣告示について教えてください。 (埼玉・一読者)

 〈答え〉 労働基準法では、一日八時間・週四十時間を超えてはたらかせてはならない(三二条)などの定めがあります。この制限を超えてはたらかせる場合には、あらかじめ労働基準法の三六条一項により、労働時間を延長する労働者と使用者の協定(三六協定)を結ぶことが必要です。この場合は三七条によって、法定時間外労働にたいする割増賃金を支払うことになります。

 他方、この三六協定は、労働時間の大幅な延長も可能とするため、残業が野放しになる温床ともなっています。

 けれども三六協定なら無制限に延長してよいということではなく、▽一年間では三百六十時間以内▽一カ月では四十五時間以内―などの基準があります。厚生労働省が一九九八年に出した「労働省告示第一五四号」に示されているものです。これは労働基準法三六条二項の定めによる通達で、大臣名による告示という形式をとっているので、「大臣告示」とも呼ばれます。

 労働基準法は、三六協定がこの基準に適合すべきことを定め(三六条三項)、行政官庁には「助言及び指導」をおこなう権限を与えています(同四項)。大臣告示が示す基準には違反者への罰則こそありませんが、企業は違反状態を是正する責任を負い、行政は違反状態が一掃されるまで指導を徹底する責任があります。

 この基準が許容する時間延長自体も大幅なもので、基準を守ることは最低限のルールです。今年二月に厚生労働省がだした「過重労働による健康障害防止」の通達も、月四十五時間を超える時間外労働を指導対象にしているように、基準を超えた長時間労働は労働者の健康も危険にさらします。大企業の無法なリストラのもと、この基準さえも上回る残業が横行しているのは重大な人権侵害で、ただちに是正すべきです。

 (

 〔2002・10・6(日)〕

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp