2002年9月16日(月)「しんぶん赤旗」
福島県の佐藤栄佐久県知事は十四日、同県いわき市で開かれた日本原子力学会で講演しました。
東京電力のトラブル隠し問題への国の対応について「そろそろ幕引きをしようとしているようだ。国の体質を変えない限り、原子力の未来は暗たんたるものになる」と批判しました。
佐藤知事は「霞が関は反対意見を完全に無視する体質。何十兆円という政策が、国会の審議も経ないで進められている」と反発。「意思決定過程の透明性が非常に重要なテーマだ」と指摘しました。
「今回の問題は原子力政策について原点に立ち返って真剣に検討する機会」と強調。核燃料サイクルについて「再処理工場が稼働する前にいったん立ち止まり、国民的議論をしていくときだ」と語りました。