日本共産党

2002年8月24日(土)「しんぶん赤旗」

真の友好つくろう

日韓の青少年が歴史体験キャンプ

植民地時代の刑務所に衝撃


 歴史のわい曲を繰り返さず、日本と韓国の真の友好を青少年の力でつくっていこう―。日韓両国の学生五十五人が十八日から二十二日まで、韓国で「韓日青少年歴史体験キャンプ」で交流しました。植民地支配の跡が残る現場をいっしょに訪ね、歴史の現実に正面から向かい合いながら、友情を深める貴重な出会いでした。(ソウルで面川誠 写真も)


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西大門独立公園に残る死刑場をのぞき込む日本人学生=20日、ソウル

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西大門独立公園に残る刑務所内でメモをとる日本人学生=20日、ソウル

 キャンプを主催したのは、「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した歴史わい曲教科書の登場をきっかけに結成された韓国の「日本の教科書を正す運動本部」です。日本から中高大学生二十一人、韓国から中高生三十四人が参加しました。

 初めは戸惑いがちだった学生たちは、いっしょに韓国料理をつくったり、大衆浴場で「裸のつきあい」をするうち、すっかり友達になりました。運動本部の梁美康委員長は、「友情を深め、胸の痛む歴史にみんなで向かい合い、痛みを乗り越える希望を探してほしい」と期待を語ります。

 二十日、植民地時代に朝鮮の独立運動家が投獄された刑務所が残る西大門独立公園を訪ね、過酷な拷問を再現した展示や現存する刑務所や死刑場を見て回りました。熱心にメモをとっていた佐藤栗里子さん(高二)は、「想像を超えている」と衝撃を受けた様子。日本人学生たちは、「現代史の授業はほとんどやらないからなあ」などと語り合っていました。

 二十一日は、旧日本軍「慰安婦」にされた過去を持つ女性たちが共同生活する「ナヌムの家」を訪問。併設された「日本軍『慰安婦』歴史館」で、植民地支配と戦場の「性奴隷」の苦しみの悲惨さを目の当たりにしました。学生たちはおし黙りがちです。

 めっきり足腰が弱ってきたという朴頭理さん(79)は、一人ずつ握手しながら「ありがとう。あなたたちは友達だよ」と語りかけました。

 


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