日本共産党

2002年8月11日(日)「しんぶん赤旗」

有事法制

米政権が対日攻勢

アーミテージ副長官来日へ大使館も「布陣」


 ブッシュ政権は、有事立法の早期成立を日本政府に促す対日攻勢を強めています。

 八月二十七、二十八両日にアーミテージ国務副長官が来日します。小泉純一郎首相とブッシュ大統領との間で合意された「日米戦略対話」の初会合のためで、東アジア全般の安全保障情勢を議論します。

 アーミテージ副長官は、有事立法整備など日本への最近の軍事分担要求のもとになっている考え方を示した米国防大学「国家戦略研究所特別報告 米国と日本 成熟したパートナーシップへ向けて」(いわゆる「アーミテージ報告」)の当事者です。今回の来日では日本側関係者との意見交換において、有事関連法案をめぐる今後の対応も議論になるとみられます。

 アーミテージ副長官来日に先だって在日米大使館も「有事法制布陣」を固めています。

 ブッシュ政権は前ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)アジア担当上級部長のトーケル・パターソン氏を、ベーカー駐日米大使の補佐官に任命する人事を発表。パターソン氏は九月に着任することになっています。

 パターソン氏はアーミテージ氏とは同じ海軍出身の親密な間柄で「アーミテージ氏の弟子」(ジム・アワー元国防省日本課長)といわれる存在。自民党国防族と太いパイプを持ちブッシュ政権内で、知日派国防官僚として知られます。

 パターソン氏は正式着任を前にした七月末に、東京都内で開かれた民間団体の安全保障シンポジウムに出席し、東アジアの経済・軍事情勢について、日本経済の新たな展開が日米関係と東アジアの安定を支えるとのべて、経済と安全保障の一体論を展開しました。

 ベーカー大使を筆頭に米大使館高官は、先の通常国会で有事関連法案の審議中から自民党の古賀誠前幹事長ら有力政治家との接触をはかっていると伝えられます。

 一連の攻勢をうけ自民党は国防関係議員を中心に秋の臨時国会での有事法案成立へ向け動きを強めています。

 


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