2002年8月6日(火)「しんぶん赤旗」
4日、テネシー州オークリッジのY12核兵器製造工場ゲート前で抗議の声をあげるデモ参加者(遠藤誠二撮影) |
【オークリッジ(米テネシー州)4日遠藤誠二】広島原爆のウランを製造した米テネシー州オークリッジにあるY12核兵器製造工場前で四日、地元や米国全土から集まった平和・環境活動家や宗教者らが反核行進をおこない、工場ゲート付近で集会を開きました。
この行事をとりくんだのは、地元で核兵器施設の監視と反核行動を続けているオークリッジ平和・環境連盟(OREPA)など。OREPAは核兵器を解体していると説明されていたY12で実際には核弾頭の更新が始まっていたことを知り、一九九九年十二月から毎週日曜日にデモを続けています。
隣州ジョージアを七月十三日に出発した日本山妙法寺アトランタ道場の内海行州上人ら平和行進の一行十人も参加し、オークリッジ市内からY12まで約一時間デモ行進しました。三五度以上の炎天下のなか参加者は、「爆弾をつくるな」「新しい軍拡競争を止めよ」「Y12で爆弾をつくるのは国際法違反」などと書かれたプラカードを掲げ進みました。
四日のデモ行進の先頭を歩いた女性、ロイス・ベーカーさんは八十歳、テキサス州ヒューストンから日本山妙法寺の平和行進に参加し二百キロ近くを歩きました。ベーカーさんは平和行進参加の理由をこう語りました。
「第二次大戦中は私自身も陸軍にいました。その戦争で兄を失い、その後、広島に原爆が投下された写真を見て、大量の命を奪う戦争そのものが間違っていることと思うようになりました。私は今、ひ孫もいますが、次代の人たちに大量破壊兵器のもとで生きてほしくはないからです」