2002年7月31日(水)「しんぶん赤旗」
エンロン、ワールドコムなどの相次ぐ破たんは、米国経済を大きく揺さぶっています。ブッシュ大統領は、不正企業にたいする処罰強化策を発表しましたが、事態はむしろ悪化しています。その中で、米国の著名経済学者の間からもブッシュ政策を批判する見解が公表されています。
以前からアメリカ資本主義の問題点を指摘してきたマサチューセッツ工科大学のスローン経営スクールのレスター・C・サロー教授は「政府は市場を公平にできない」と題する論文をニューヨーク・タイムズ紙二十三日付に寄稿しました。
教授は、エンロン、ワールドコム、タイコという一連の大型破産を受けて、「スキャンダルは資本主義にとって不可避だ」とし、株式市場の大幅下落は、突然起こったことではなく、いずれの会社も「自社株の数字を少しでも高く」することを目指して企業収益などの“調整”を繰り返したことが積もり積もった結果であると指摘しています。
その上で同教授は、「会計監査の決まりを変更すれば、この慣習が変わると考えるのは単純だ」としています。
同教授は、米政府が新しい法整備を考えていることをあげて、「政治家が変えようと動いた時には、時すでに遅い」とのべ、「新しい規制がスキャンダルを防げるかのようにするなら、不誠実以上であり、詐欺だ。どんな規制をもってしても、株市場の公平さや透明性を保障できない」と述べています。
一九九七年のアジア危機を予告したことで名をはせた経済学者のポール・クルーグマン氏は、「熊と住むようなもの」と題した論説をニューヨーク・タイムズ紙二十三日付に発表しました。
同氏は、アメリカ経済は、現実には崩壊寸前というわけでないとしながらも、米市場は企業収益などの実体より過剰評価されているとしています。
同氏は、ブッシュ政権の経済計画が九九年の秋から大きく変わっていないことを指摘し「経済をめぐる環境は完全に変化しているが、政府の政策は少しも変わっていない」とブッシュ政権の政策の変更が必要だと強調しています。