2002年7月29日(月)「しんぶん赤旗」
【ワシントン28日坂口明】米紙ワシントン・ポスト二十八日付は、米統合参謀本部メンバーら軍制服組の多くが、イラク・フセイン政権が当面の脅威になっていないとして、イラク侵攻作戦に反対していると報じました。複数の国防総省当局者は、来年春までは米国がイラク攻撃に踏み切る見込みはなく、その後も攻撃はないかもしれないとしています。
ホワイトハウスや同省の非制服組は、これに強く反発。対イラク政策をめぐり、ブッシュ政権内で意見対立が強まっているもようです。
米軍は現在、イラク周辺に二万人の部隊を展開し、飛行禁止空域の設定によるイラク爆撃などを実施しています。これらの制服組は、こうした現行の政策がイラクの大量破壊兵器取得を制約し、効果を発揮していると見ています。
また、イラク侵攻作戦を実施した場合、イラク側が生物兵器などを使用したらどうするか、民間人の犠牲者が出るバグダッドでの市街戦をどうするか、政権打倒後の占領作戦の経費やイラク分割の可能性にどう対処するか、などで大きな危険があると主張しています。
制服組は、フセイン政権打倒という米政府の目標は、フセイン大統領自身の健康悪化や米中央情報局(CIA)の秘密作戦によっても十分達成できる可能性があるとしています。
同紙は、国務省やCIAの高官の中でも、こうしたイラク攻撃への懸念や封じ込め政策継続支持の同じ意見が出ていると伝えています。
イラク攻撃をめぐる対立は、これまでも報道が繰り返されています。六月末には、大規模侵攻ではなく、特殊作戦と空爆、イラク反政府派を結合したフセイン大統領打倒を提唱していた、ホワイトハウスのダウニング大統領副補佐官が辞任しています。