2002年7月24日(水)「しんぶん赤旗」
【ワシントン22日遠藤誠二】米通信大手ワールドコムの破産法申請を受けて、二十二日のニューヨーク株式市場は、三年九カ月ぶりの安値をつけました。ブッシュ大統領は同日、訪問先のイリノイ州シカゴ郊外で、米経済の基礎はしっかりしており、「楽観視している」と言明しましたが、米史上最大の倒産が与える影響は計りしれず、株価同様、大統領の支持率も引き続き落下の一途をたどっています。
ブッシュ大統領は記者団にたいし、「経済成長の基礎的条件は本物だ」「わたしは楽観主義者で、未来は明るいと信じている」と強気の態度に終始しました。しかし、フライシャー大統領報道官は同日、ワールドコム破産について「米経済、投資家、労働者にとって非常に憂慮すべきことだと大統領は考えている」とのべるなど、衝撃が軽微でないことは隠せません。
国民が日常的に株投機をおこなう米国にあって、一企業の不祥事ではすまされません。秋に中間選挙を控えているだけに、同大統領は今月九日に不正取り締まり強化などの改革案を発表しました。しかし、八〇年以降に起きた企業倒産ランキング上位十のうち七つがここ一年半に起きている事実は、企業倫理だけで片付けられないことを示しています。
不正を生む土壌、株価をつりあげるために収益を多くみせようとした粉飾決算は「株価至上主義」の典型です。同時に、ITバブル―過剰投資のつけがでたものといえます。
二十二日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは社説で、ブッシュ大統領の改革案発表から現在まで、ニューヨーク・ダウ平均株価が13ポイント下がったとして、「このことは、投資家が、企業の誇張に反対し、より罰則を強める法律や規制を政府がとることを求めている」と政権の対策が不十分であることを強調しました。
ブッシュ大統領自身を含め、チェイニー副大統領、オニール財務長官、ホワイト陸軍長官など米政権の中枢が、株売却とそれにまつわるインサイダー取引、不正会計などの疑惑にまみれていることも事態をよりいっそう深刻化させています。
政権への支持も株価同様に落下。十九、二十両日に『ニューズウィーク』が調査した世論調査では、ブッシュ大統領の支持率は65%と昨年九月の同時多発テロ後最低を記録、企業スキャンダルへの対応についても、支持が前回調査時(先週)から5ポイント下がり46%、不支持は同7ポイント上がり39%となりました。