2002年7月20日(土)「しんぶん赤旗」
【ワシントン18日坂口明】米国で連日のように粉飾決算などのスキャンダルが暴露される米大企業は「思想的に守られてきた資本主義そのものを破壊している」――市民運動指導者、ラルフ・ネーダー氏が十八日付ワシントン・ポスト紙への寄稿で指摘しました。
同氏は、資本主義体制の前提条件とされてきたものとして、(1)所有者は所有物を支配する(2)企業には浮き沈みがある(3)契約の自由がある(4)法と秩序の枠組みを必要とする(5)企業は同一条件で競争する――などを列挙。ところが今日の米国では、(1)「不正経理、利益水増し、企業の金の私的利用により、大口投資家でさえ企業経営の真実が分からなくなっている」(2)小企業はつぶれても大企業は「大きすぎてつぶせない」とされ、経営破たんしても国家に救済される(3)大企業は政治献金をばらまくロビイストにより政府を牛耳り「企業国家」化している――など資本主義の前提条件が崩れているといいます。
同氏は、いま米国にあるのは「大企業の、大企業による、大企業のための政治」だと指摘。市民運動は「企業と国家の分離」を要求し、大恐慌時の一九三八年につくられた企業独占調査のための委員会(TNEC=臨時国家経済委員会)のような委員会を議会に設置すべきだと提唱しています。