2002年7月19日(金)「しんぶん赤旗」
哲学者の梅原猛、詩人の大岡信、作家の瀬戸内寂聴、辻井喬、灰谷健次郎、埼玉大学名誉教授の暉峻淑子、俳優の牟田悌三の各氏ら著名文化人二十四人が十八日、声明「教育と文化を世界に開かれたものに―教育基本法『改悪』に反対する呼びかけ」を発表しました。
声明は、中央教育審議会が教育基本法を見直し、「伝統文化の尊重」の名のもとに「愛国心」や「国家への奉仕・献身」を重視し、復古的な道徳教育の強化を主張する議論を強めていることに強い危ぐを表明しています。
また、日本国憲法にのっとり「個人の尊厳を重んじ真理と平和を希求する人間の育成」と「普遍的にして個性ゆたかな文化の創造」を掲げた現行教育基本法の理念が、二十一世紀の教育の指針としてふさわしくさらに重要になっていると確信するとしています。
教育基本法「改悪」に反対する議論と運動に多くの人々が参加することを呼びかけています。
二十四人のうち東京大学教授の藤田英典氏ら九人が東京都内で記者会見をして発表しました。席上、辻井喬氏は「教育の混乱は、先生たちの意見を聞いて足もとから変えるべきで、教育基本法を変えることではない。現在の動きは、教育現場に自由競争原理と復古反動思想を押し込もうとするもっとも警戒すべきものだ」とのべました。