日本共産党

2002年7月18日(木)「しんぶん赤旗」

医療改悪法案 医師会が各地で反対

沖縄、愛知で決議

栃木県では全面広告


 国会最終盤に向けて医療改悪法案にたいする反対・批判の声が広がりをみせています。日本医師会が参院厚生労働委員会で「断固反対」(十六日、櫻井秀也常任理事の意見陳述)を表明するなか、各地の医師会でも「改悪反対」の声が上がり行動が起こっています。


与党に阻止求める声明

 静岡県富士宮市医師会の指出昌秀会長は語ります。「法案には反対です。とくにお年寄りの定額制の廃止と一〜二割負担の徹底、償還払いは、受診抑制と重症化を招き、かかりやすさという日本の医療の利点を失わせる。それに政府は『三方一両損』というが損は患者と医療機関だけ。国庫負担は増えておらずごまかしです」

 そのうえで「法案を強引に成立させれば医師会の自民党離れはいっそう加速するのでは」とも。

 「健保二割負担で減った患者さんは元に戻っていません」という富士宮市歯科医師会の上杉知永会長も「さらなる負担引き上げは、国民皆保険制度の崩壊につながります。景気回復にも大きなマイナス影響を及ぼす」といいます。

 両会長は、二十七日に同市で開かれる「安心できる医療制度を考えるシンポジウム」(日本共産党富士宮市委員会・医療シンポ実行委員会主催)にパネリストとしてそろって出席します。

 札幌市医師会は、「医療保険制度が壊れる」と市民に訴えるビラやポスターを十三万枚作製、市内千二百の開業医に届けドクターからの「手渡し運動」を展開しました。ビラなどを全都道府県医師会、政令市医師会に郵送したところ、各県から「うちにも使わせてほしい」との問い合わせが相次いでいます。

 栃木県医師会は地元紙の「下野新聞」に、札幌市医師会のポスターを参考に作製した「医療保険制度が壊れる」の全面意見広告を掲載しました。

 「我々医師連盟の会員は、下記の要求が受け入れられない場合は、次回の衆院選および参院選において、現与党の公認候補には絶対に投票いたしません」。茨城県のある市の医師会員でつくる政治団体の医師連盟は、今月に入って、「高齢者の一割負担及び自己負担限度額の引き上げの阻止」「被用者保険の三割負担導入の阻止」を求める「声明文」を自民、公明、保守の三党に送付しました。

 同連盟幹部は「こういう動きははじめてですが、あまりにも重い患者負担、何か意思表示をしようと決めました。これは会員の一致した気持ちです」と語っています。

 沖縄県医師会は、臨時代議員会で「家計に計り知れない打撃を与える健康保険法案が何等の修正なく容認されることは、民主国家の危機的状況を表している」として、「三割負担に断固反対」を決議しています。愛知県医師会も、代議員会で「健康保険法等改正案の廃案」を求める決議を上げるなど全国に反対の声が広がっています。

 


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