日本共産党

2002年7月16日(火)「しんぶん赤旗」

宮路厚労副大臣が辞任

帝京大入試口利き問題

真相語らず反省なし

野党は参考人招致を要求


 帝京大学医学部入試をめぐり、後援者の要請で口利きをしていた宮路和明厚生労働副大臣(自民党)は十五日、「国会審議にご迷惑をかけた」として、辞意を表明しました。日本共産党の市田忠義書記局長は記者会見し、「口利きへの反省がまったくない」と批判。真相究明のため、宮路氏と冲永荘一帝京大総長の参院厚生労働委員会への参考人招致が最優先課題で、医療改悪法案の審議の前提だ、と強調しました。

 宮路氏は、辞任の理由について「国会が十一日にストップし、混乱を招いた。自分が踏みとどまれば、健康保険法改正の成立を阻むことになってしまう」と述べ、医療改悪法案を成立させるためであることを強調。口利き問題そのものへの反省の言葉は一切ありませんでした。

 これを受けて開かれた参院厚生労働委員会理事懇談会では、野党側が、宮路氏と冲永帝京大総長の参考人招致を一致して要求。しかし、与党側は「(辞任という)重い務めを果たした副大臣の心中を察してほしい」「参院に衆院の議員を呼ぶ前例はほとんどない」などと、消極的な姿勢を示しました。

 日本共産党の小池晃委員は「宮路氏は『自分が悪かった』とは一言もいっておらず、心中など察しようがない」と批判。「審議がストップしたのは、参院厚生労働委員会での宮路氏の発言が発端であり、当委員会で徹底的に解明すべきだ」と主張。十六日に改めて協議することになりました。


大学に受験番号連絡、問題ない

官房長官が弁護

 福田康夫官房長官は十五日午後の記者会見で、帝京大医学部入試での口利き問題で宮路和明厚生労働副大臣が辞任したことに関し、後援会子息の受験番号を大学側に連絡した行為自体に問題はないとの見解を示しました。その上で、辞任の理由を「(厚生労働省)所管の法案審議に野党が応じないために辞めざるを得なくなった」と説明しました。

 福田長官は、宮路氏の「口利き」の内容について(1)事務所が受験番号を連絡しただけ(2)合否の連絡を含め便宜は受けていない―と強調。「行政上の権力を行使したのであれば問題はあるが、(受験)番号を教えたことが一体どんな意味があったのか。実態を考え、何ら利益がないことは国民にも理解してもらわなければならない」と述べました。

 


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