日本共産党

2002年7月13日(土)「しんぶん赤旗」

自動車リサイクル法で減量・再資源化は?


 〈問い〉 こんど成立した自動車リサイクル法は、ごみ減量や再資源化を進めるのに問題が多いと聞きました。どういうことでしょうか。(千葉・一読者)

 〈答え〉 自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化に関する法律)は、この七月に成立し二〇〇四年に施行が予定されています。この法律の大きな問題は、製品の生産から使用後の回収・再資源化まで生産者に責任を持たせ、再資源化費用を製造コストに内部化させる、拡大生産者責任に立っていないことです。逆に再資源化の費用を消費者に負担させているため、メーカーはリサイクルしやすい製品を生産する動機がうすれます。日本共産党が同法に反対したのはこのためです。

 同法はメーカーに、▽冷房装置などのフロン類▽衝突緩衝装置であるエアバッグ▽鉄やアルミ部品の回収後に残るシュレッダーダスト(破砕残さ)―の三品目の引き取り義務を課しています。しかしその処理費用を負担するのはユーザーです。新車購入の際に料金として支払うほか、すでに購入している自動車の料金は、法施行後、最初の車検で徴収されます。

 しかもメーカーは自社で処理するのが引き合わなければ、他の業者に安く委託できます。メーカーは、引き取り所を指定しますが、実際には解体業者に処理をさせ、その経費を支払うことになっています。このような料金をユーザーが支払うべきいわれはありません。

 三品目以外の車体部品は従来どおり、廃車を解体し部品回収する業者間の取引にまかせます。いまでも自動車部品リサイクルの大半は、こうした中小業者に担われています。ところが自動車リサイクル法によって基準の厳しい登録・許可などの規制をうけるほか、大規模な企業の参入にさらされ、営業の継続が危ぶまれています。

 このように、自動車メーカーの責任を免罪し、ユーザーや中小業者には負担を強いる制度は、リサイクルの国際的な常識にも反するものです。

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 〔2002・7・13(土)〕

 


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