2002年7月11日(木)「しんぶん赤旗」
大学院生の劣悪な研究・生活条件の改善を求めて、全国大学院生協議会(全院協)は八日、関係省庁、各政党、日本育英会に要請行動をおこないました。これには、各地の大学院から十三人の院生が参加しました。
要請では、政府が決めた日本育英会の廃止について、その撤回を求めるとともに、無利子奨学金制度の充実、奨学金の大学院生返還免除制度を存続することを要望しました。このなかで、「奨学金制度が改悪されれば、さらにアルバイトに追われ、研究する時間が少なくなる」など院生の深刻な実態を訴えました。
国立大学の独立行政法人化は、大学院生にとって、(1)公教育の縮小と学問の質の低下(2)学内における民主的合意形成プロセスの崩壊(3)学費の高騰(4)進路就職問題の深刻化(5)大学院間の勉学研究条件の格差拡大と公立・私立大学の勉学研究条件への悪影響、などの問題があると指摘し、その撤回を求めました。
大学院の劣悪な施設改善については、院生の意見を無視したトップダウンで施設整備がすすめられ、院生が個人で使えるスペースが、逆に狭くなりかねないといった問題が起きており、この改善を求めました。これにたいし、文科省は「各大学の実情に配慮してすすめる」と答えました。