日本共産党

2002年7月4日(木)「しんぶん赤旗」

フィブリノゲン製剤の使用実態

厚労省が7学会調査


 旧ミドリ十字(現三菱ウェルファーマ)のフィブリノゲン製剤の投与によってC型肝炎に感染した薬害肝炎問題で厚生労働省は、同製剤が医療現場でどう使われていたのかなど、関係する七つの学会を調査し、一部回答をえていることを三日までに明らかにしました。

 フィブリノゲンは出産や手術時に止血剤として広く使われました。その使用実態や使用要領などについて、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本消化器外科学会、日本胸部外科学会、日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本輸血学会を調査しています。

 フィブリノゲンは一九六四年に販売されて以来、非加熱と加熱で推定約一万人の肝炎発症を引き起こしています。旧厚生省は八七年七月に「止血剤としての有効性は確認できない」とする内示を出していました。これにたいして日本産科婦人科学会と日本母性保護医協会(現日本産婦人科医会)は、従来どおりの使用を求める要望書を同省に提出していました。

 この点、今回の厚労省調査で「八七年の要望書以外の働きかけはなかったのか、フィブリノゲンによる肝炎について会員に注意を促す指導をしていたのか」などを聞いています。日本産科婦人科学会は「厚労省の質問に、すでに回答しており、内容についてはいえない」としています。

 また、日本産科婦人科学会は独自に六月から、全国二百八十五の総合病院や主要産科医院で、フィブリノゲンがどのように使われたのかを調査。今年末までに報告書をまとめる予定といいます。

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp