日本共産党

2002年7月2日(火)「しんぶん赤旗」

医療改悪 不安、痛い、心配

札幌市医師会が患者にビラ渡す


 札幌市医師会(島田保久会長、会員約三千人)が広げている医療制度を守ろうのビラ、ポスター「手渡し運動」が反響を呼んでいます。「本当にこうなるの!」と驚く患者。全国の医師会からも「使わせてほしい」と引き合いが続々。担当した中田康信医政部長(中田泌尿器科病院長)は「このままでは日本の皆保険制度が崩れてしまうことを市民に伝えたい」と力を込めます。

廃案めざし自主作製

「使わせてほしい」全国から引き合い

 同医師会がビラを作製したのは昨年十一月と今年五月の二回。A4判イラスト構成のカラー刷り。「医療保険制度が壊れる」と市民に訴えるもので、毎回十三万枚作製。

 国会での医療改悪法案が正念場のいま、同じ絵のポスターと一緒に、市内千二百の開業医に届け、ドクターからの「手渡し運動」を展開中です。

 内容は「不安〜ん!高齢者医療の対象年齢が上がる」「痛〜い!患者負担が大幅に増える」「心配〜い!病院が選べない」と強調。政府が、保険証が使える病気や治療の範囲を狭め、それ以外は自費にしようと狙っていることや、今回の法案で高齢者の窓口負担が二〜三倍になることを説明。「(これは)国などの負担が減るだけで、医療機関の収入にはなりません」とのべています。

 医師たちが診察の合間に患者に手渡すと「え、本当にこうなるの」「病院が選べなくなってしまうのは困る」などの声。医師会の市民向け家庭医学講座や健康講座などでも活用しています。

 道内だけでなく、全都道府県と政令市医師会に郵送したところ、沖縄、福岡、栃木の各県や神戸市医師会などから「うちにも使わせてほしい」と相談が続々。

 うれしい反応に「お役に立つなら、どうぞ」と答え、各地で広がっています。

 中田さんは、「いまは医師と患者・市民の共同が非常に大事。皆保険が壊されてしまうこの法案は、ぜひ廃案にしたい」と声を強めました。

 


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