2002年6月27日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の石井郁子副委員長・衆院議員と児玉健次衆院議員は二十五日、福島大学の臼井嘉一学長と教育学部の統廃合の問題と独立行政法人化の問題で懇談しました。
石井氏は鳥取県や山形県などで大学関係者から話を聞いてきた経過を紹介し「国立大学の再編統合など大学が大変な問題に直面しています。国政への率直な要望を聞かせていただきたい」とあいさつ、福島大学の現状について話を聞きました。
臼井学長は、福島大学が現在の教育学部と経済学部などを再編成して、あらたに自然科学系の学群を新設していくことなど、新制度の設計について説明しました。
福島大学と宮城教育大学、山形大学の三校を再編成して、教員養成の担当大学を一校にするという議論について、児玉議員は「大学の将来について、大学と地域が自主的に決めることであって文部科学省が生殺与奪の権利をもって議論に枠をはめることがあってはならない」とのべました。
臼井学長は「単純に担当校と一般校に二分するやり方では県民に理解されないと思う」と発言、再編成後も教員養成の機能を残していく意向を強調しました。
国に対する要望では、臼井学長は「福島大学は基礎的な研究を担ってきた。政府には財政的な援助をしてもらい、基礎研究を保障してほしい」とのべました。
また石井、児玉両議員は、福島大学教職員組合とも懇談しました。
日本共産党国会議員団の石井郁子、児玉健次衆院議員は、二十五日山形大学を訪れ、仙道富士郎学長、沼沢誠、鬼武一夫両副学長らと大学改革問題について懇談しました。
この懇談には須藤美也子党山形県委員長、本間和也県議候補らが同行しました。
石井議員は、日本共産党の「国民の立場で大学改革を進めるための提案」を紹介し、再編先にありきの文科省を批判。「一県一国立大、教員養成はその県でという考え方は今後も必要」「大学が自治的に決めるのが基本。時間を区切ったり、教育学部のスケールメリットなどと枠組みを設定すべきでない」などと率直に意見交換しました。
児玉議員は、今後団塊世代の教員の定年退職者は増えていくとして「教員免許をとれる課程をなくすのはいかがなものか」と強調しました。
仙道学長は、「少子化の中で効果的な教育を進めるにはまとめることも必要」としながら「われわれの選択で山形の教育を阻害することがあってはならない。県民の意見を聞きながら、自分たちで決めていこうと考えている」などと述べました。
山形大、福島大、宮城教育大の南東北三大学間の再編協議で、山大教育学部は先月、教員養成課程の存続を断念。しかしその後、県民、県内教育関係団体などの猛反発にあい、評議会での結論は先送りにするとしています。
懇談で須藤県委員長は「山形県が本年度からすすめている少人数学級の取り組みで、これから教員採用の数も増えるだろう。県民はこれを支える役割を山大に期待している」と教育学部存続に向けて要望しました。仙道学長は「貴重な意見としてうけとめたい」とのべました。