2002年6月24日(月)「しんぶん赤旗」
児玉衆院議員が報告
日本共産党北海道委員会、同国会議員団道事務所、同全道大学教職員後援会、日本共産党を後援する北海道学者・研究者の会が二十二日、札幌市内で開いた「国民の立場で大学・教育を考えるつどい」は約七十人の参加で活発に意見が交わされ、とりわけ政府の進める「大学改革」に厳しい批判が相次ぎました。
つどいは、全道大学教職員後援会の桑山弥寿男代表委員、宮内聡党国会議員団道事務所長の司会で進行。初めに青山慶二・党道委員会副委員長が主催者あいさつし、児玉健次衆院議員の報告に続いて、全国大学高専教職員組合北海道地区教職員組合の増子捷二委員長、北海道私立大学教職員組合連合の白鳥忠明書記長、北海道民間教育研究団体連絡協議会の三上勝夫副会長が発言しました。三氏の発言(要旨)を紹介します。
独立行政法人化というものはちょっと前に突然出てきたようですけれども、法人化構想は一九六〇年代、七〇年代からありました。その仕上げとしてあるのがいわゆる「遠山プラン」、三月に出ました報告です。
あの(戦前の)ファッショ的な時代にもかくもすさまじい大学つぶしはなかったというのはまさにその通りです。
私なりに日本の大学の課題と展望をまとめてみましたが、共産党の出した提案(国民の立場で大学改革をすすめるため日本共産党の提案)を読むと、同じように考えているんだなと思っています。私たちもこれを参考に運動を進めてみたいと思っています。
問題なのは、こういうとんでもないことに対して大学人がなかなか声が上げられないことです。大学にはいろいろな問題があるんですけれども、それと独立行政法人化しなければならないという論理的な必然性はないことは明らかです。
私立大学の経常費に占める国からの補助金は10%程度です。一方で、大学院の高度化など「特色ある教育・研究」に与える特別補助や、私立大学教育研究高度化推進特別補助を増やしています。これは例の「トップ30」(国公私立のトップ三十校を重点育成するという方針)と同じ考えで、明らかに私立の中にも生き残れるものと死ぬものを区別するというものです。
二〇〇一年度の文部科学省白書でも、基本的には私立大学に大幅な助成はしない、あくまで「自助努力」によってやりなさいということがいわれています。
しかし、私立大学が消えていけば、高等教育を受けたいという多くの国民の願いがどんどん遠のいていくことになります。私たちは私大助成に限らず教育費全体を大幅に増やす運動を展開していきたいと思います。
大学進学率には地域差がずいぶんあります。北海道は(全国の都道府県で)三十九番目。地域の経済力などがからんでいると思いますが、北海道の低さは、大学に行きたくとも行けない子どもたちの無念が込められていると思います。
日本の大学の学費は、この二十年間に国立・私立ともに二倍になっています。国立と私立の格差も一・七倍です。日本の子どもたちが払う学費は国際的にも非常に高い。
子どもたちには大学格差が見えてきます。道内のある有力な文科系国立大学の一部上場就職者は40%台、道内の有力な文科系私立大学は10%です。現に格差があります。
高校生は大学に入るために勉強しているのです。勉強したいから勉強しているのではありません。受験勉強が子どもたちを賢くしているのか、賢くなる事態を奪われているのか微妙なところです。厳しい受験勉強と大学格差がある限り、そういう問題はやまないと思います。