日本共産党

2002年6月20日(木)「しんぶん赤旗」

都市公団の独立行政法人化計画をどう考える?


 〈問い〉公団住宅に住んでいますが、都市基盤整備公団が廃止され、独立行政法人が設置されると聞きました。どういうものですか。(千葉・一読者)

 〈答え〉 おっしゃるとおり、小泉内閣は、昨年十二月十八日に決定した「特殊法人等整理合理化計画」(以下、「計画」)で、二〇〇五年度末までに都市公団を廃止し、新「独立行政法人」を設置することを決めました。この新「法人」の設立のための法案は、まだ国会に提出されておらず、具体的なことは決まっていません。しかし、「計画」の内容から、次の点が指摘されます。

 「計画」では、公団の賃貸住宅事業について、(1)自ら土地を取得して行う新規建設は行わない(2)管理は可能な限り民間委託の範囲を拡大する(3)入居者の同意を得た上で可能なものは棟単位で売却する―としています。住宅政策の大幅な後退です。

 「計画」では、こうした作業を、新「法人」の設立以前にも、極力すすめ、住宅部門のスリム化を図ったうえで新「法人」に移行するとのべています。すでに大阪の香里団地では、建て替えの際に高層化し、あまった土地が民間に売却されていますが、こうした事態がいっそう広がりかねません。

 また、新「法人」の目的は、あくまでも大都市に公共事業を集中して巨大開発を行う、「都市再生」事業の実施部隊を設立することです。臨海部の土地利用などで今以上にゼネコン奉仕の開発事業を推進する一方、基盤整備をすすめるために不動産会社などに土地を売却し、民間主導の開発を後押ししようというものです。しかも「計画」では、新「法人」自身の「改廃」を、三年から五年ごとに検討するとしています。

 こうした「計画」の内容から、新「法人」は、賃貸住宅の売却・民営化を推進し、公共住宅制度の崩壊を進める「受け皿」づくりとなることは明白です。公団住宅の拡充を求める居住者・国民の願いに応えるものとはいえません。

)〔2002・6・20(木)〕

 


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