日本共産党

2002年6月15日(土)「しんぶん赤旗」

公明党の裏切り ここまできた

負担増強行を 拍手で喜ぶ


 「医療は水や食べ物と同じくらい人間にとって大切なものです。よい医療制度を持つことは国民にとって幸せなことであり…」

 十四日、強行採決があった衆院厚生労働委員会の質問席で、公明党議員がここまでのべたとき、「恥を知れ」という声が野党議員から沸き起こり、騒然となりました。この言葉のイメージから、およそ考えられない行動をとってきたのが、坂口力氏を厚生労働大臣に送り出している公明党だからです。

 実際、公明党の国民への裏切りをぬきに、今回の改悪法案の強行を語ることはできません。

参院選挙では明確に「反対」

 サラリーマン本人の患者負担を二割に引き上げた一九九七年の医療改悪法案にたいし、公明は反対しました。「弱いものいじめ」「単に一時的に財政赤字を糊塗(こと)するもの」(九七年六月、参院本会議)と批判していました。

 同年九月から二割負担実施。明けて九八年の参院選挙に臨む「重点政策」として、公明は「医療費の新たな患者負担増に反対します」とかかげました。政府・自民党の医療改革にたいし、「医療費抑制を大義名分に、『取りやすいところから取る』方式の患者負担増で医療費の帳じりを合わせたい考えが明らかです」(公明新聞九八年六月六日付)と批判していました。

 当時の政府・自民党の考えを代表するものとは、小泉純一郎厚相(現首相)がだした「21世紀の医療保険制度(厚生省案)」にほかなりません。ここで三割負担の改革プランが打ち出されました。この政府・自民党の考え方、患者負担増に「断固反対」と表明し、参院選挙で国民に支持を訴えて歩いたのです。

 昨年の参院選挙では、小泉内閣の与党として選挙をたたかいながら、開業医の団体(保団連)からのアンケート調査にたいし、三割負担についてはっきり「反対」と回答していました。

推進転換にも全く反省なし

 こうした患者負担増反対の国民への公約を裏切って国会に提案されたのが、健保法改悪によるサラリーマン本人三割負担の導入です。「3割への引き上げ時期を先送りすればするほど、保険料率の引き上げは過重にならざるを得ません」(冬柴鉄三幹事長、公明新聞二月十四日付)との理由づけで、賛成するだけでなく、一刻も早い実施を求めて法案成立を推進する立場に転じたのです。

 しかし、審議では「負担増反対から負担増どうぞ。これは百八十度違うことは明らか。認めますね」(五月二十九日、佐々木憲昭議員)と問われても、「大きなところは変わっていない」(坂口力厚労相)と答弁。反省の姿勢はまったくありません。

 強行採決前の最後の質問者となった公明党の福島豊議員は「国民の皆様に、さまざまなご負担を求めるということは、国会議員としてもまことに私どもは心苦しい思いがいたしす。しかし改革が必要ということを国民の皆様にご理解いただきたい」とのべました。しかし、理解を示す世論調査は何一つなく、法案成立反対が多数の世論調査があるだけです。

 「心苦しい」といいながら、席に戻るなり審議打ちきり動議に賛成。なにをいっているかまったくわからない大混乱のなか起立した自民、公明、保守の与党議員は可決だとして、手をたたいて喜びあいました。この公明党に国民を欺く姿勢以外に何が見えるでしょうか。(S)

 


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