日本共産党

2002年6月13日(木)「しんぶん赤旗」

有事法案撤回を

真宗大谷派が決議


 真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)は十一日、同派の宗議会で「有事法制関連三法案」の撤回を求める決議をしました。

 決議では、有事法制関連三法案について、「戦争放棄を明記する憲法に違反し、すべてに軍事を優先させ、市民の人権を根こそぎ破壊し、国民を戦争に駆り立てるもの」と指摘。「戦争放棄をうたう日本国憲法の精神こそが最大の備えであり、国民の憂いをなくす最善の道」と強調しています。

 また、先の戦争を「聖戦」と呼び、国家に協力した教団は、戦争責任を問いつづけ、深くざんげして「不戦決議」を採択したとのべています。その上で、小泉首相に「有事法案を撤回」することを強く求めています。


有事法案撤回求める
真宗大谷派の決議

(全 文)

 真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)が十一日の宗議会で採択した、有事三法案撤回を求める決議の全文は次の通りです。

 現国会において有事法制関連三法案が上程され、審議の途中にあります。この法案は、戦争放棄を明記する憲法に違反し、すべてに軍事を優先させ、市民の人権を根こそぎ破壊し、国民を戦争に駆り立てるものであります。

 また、昨年八月十三日と本年四月二十一日の二回にわたって靖国神社参拝を強行した小泉首相の「備えあれば憂いなし」の言は、国を守るとしながら、実は国民総動員を企図するものに他ならず、そのことこそが国民の憂いであります。戦争放棄をうたう日本国憲法の精神こそが最大の備えであり、国民の憂いをなくす最善の道であります。私たちは過去の誤った道を再び歩んではなりません。どこまでも本願念仏の教法に立ち、すべての人々と共に「御同朋」として呼びあえる関係を築き上げることこそが、平和を希求する人類唯一の道と確信します。

 私たちの教団は、かつて宗祖親鸞聖人の仰せになきことを仰せとして、先の戦争を「聖戦」と呼び、国家に協力しアジア諸国を始めとする世界の人々に言語に絶する惨禍と苦難をもたらしました。その戦争責任を自らに問い続け、一九九五年の宗・参両議会において、この事実を深く懺悔(ざんげ)し、「先の大戦に犯した宗門の罪責を検証しこれらの惨事を未然に防止する努力を惜しまない」ことを決意して、「不戦決議」を採択いたしました。

 ここに私たちは小泉首相、政府、国会議員各位が有事法案を撤回し断念せられることを強く求めるものであります。

 右、決議いたします。

 


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