日本共産党

2002年6月11日(火)「しんぶん赤旗」

期限切った核兵器廃絶
日本こそ世界の先頭に

「非核三原則」での暴言を批判

衆院特別委で春名議員質問


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質問する春名直章議員=10日、衆院有事法制特別委

 日本共産党の春名直章議員は十日、衆院有事法制特別委員会で、福田康夫官房長官の非核三原則見直し発言について“情勢が変化すれば変わりうる”としていることが「問題の核心だ」として、政府の姿勢を追及し、同長官の罷免を求めました。

福田長官 将来の見直し議論否定せず

 春名氏は、福田長官が非核三原則見直し発言の“釈明”で「国の安全保障のあり方については、それぞれの時代状況、国際情勢等をふまえたさまざまな国民的な議論がありうる」と繰り返していると指摘。「情勢によって変わりうるという認識を吐露している。“将来にわたって守る、堅持する”とした歴代内閣の答弁と明らかに違う」とただしました。

 福田長官は「国の安全保障の問題となれば、核の問題も当然、議論の対象だ」と答弁。その議論に「非核三原則も入るのか」と春名氏がただしたのに対し、福田長官は「そういうことは当然入る」とのべました。

 春名氏は、「非核三原則が検討対象になるときがくるかもしれないと認めたものだ。これが問題の核心であり、世界に大きな衝撃として走っている」と批判しました。

 春名氏は「非核三原則の精神が、世界の流れと合流しつつある」とのべ、「期限を切った」核兵器廃絶が世界の課題となっていると強調しました。二〇〇〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で、「究極的」という言葉が外され、核兵器廃絶の「明確な約束」を明記した最終文書が合意されたことも紹介。「『究極的』でなく、期限を切った廃絶の先頭に立つべきだ」と主張しました。

 小泉純一郎首相は「一日も早く核廃絶ができればいいと思う」と答弁。一方で、「現実を見極めながら進んでいくのが、小泉内閣の立場だ」とのべ、期限を切った廃絶には背を向ける態度を示しました。

「将来の内閣のこと言わない」

非核三原則で首相

 衆院有事法制特別委員会での集中審議の中で、小泉純一郎首相は「私の内閣では非核三原則は変えない」「あとの内閣も非核三原則を堅持してもらいたいと思っている」とのべる一方で、「将来の内閣、どういう内閣ができるか分からないが、そこまで、あれやれ、これやれとは言わない」とのべ、将来の非核三原則堅持については明確な答弁を避けました。

 この答弁は、歴代自民党内閣が「いかなる政府ができても、国会が非核三原則を順守すべしということを決議しており…その決議はいかなる政府によっても守らなければならないし、守られる」(福田赳夫首相、一九七八年三月六日、衆院予算委)としてきた立場から後退したものです。

 伊藤英成(民主)、工藤堅太郎(自由)両氏の質問に答えました。

 


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