日本共産党

2002年6月4日(火)「しんぶん赤旗」

福田長官罷免を要求

4野党、非核三原則見直し発言で


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被爆地は許さない 福田官房長官の「非核3原則」見直し発言は断じて許さないと、広島では被爆者たちが抗議の座り込み=3日、広島市平和記念公園・原爆記念碑前

 福田康夫官房長官が核兵器を持たないことなどを「国是」とする「非核三原則」の見直しに言及した問題で、野党四党は三日、同長官の罷免を要求していくことで一致しました。福田長官は同日午前の記者会見後、与党三党国対委員長に対し、「自分の発言で迷惑をかけた」と釈明。「政府首脳」とされていた発言が自分のものであることを認めました。

首相出席の集中審議を

 福田長官は同日午前の記者会見で、「非核三原則」見直し発言について「大きな政策転換であり、言うはずがない。内閣が吹き飛んでしまう」と報道を否定。「非核三原則を政府として堅持する立場に変わりがない」と釈明しました。

 一方で、記者から「(見直しは)将来の議題になるのでは」と問われ、「先の話を聞かれても困る。今の自由民主党政権、今の与党体制の中から非核三原則の見直しが出てくる可能性は全くない」と答えました。

 午後の会見で長官は、「国の安全保障の在り方について時代状況、国際情勢を踏まえて、さまざまな国民的議論があり得るということを述べた」と開き直りました。

 小泉純一郎首相は同日、「何で波紋をよぶのか」「騒ぎ過ぎだ」などと沈静化に躍起となりました。

 一方、四野党は午前の国対委員長会談で、福田長官の責任を問うとともに、罷免要求の方針を確認。衆院有事法制特別委員会の理事会で、小泉首相が福田長官の発言を「どうってことない」と述べたことについて認識をただす必要があるとして、首相出席の集中審議を要求しました。これに与党側が応じなかったため、同特別委のこの日の審議は行われませんでした。


政権担う資格ない

市田書記局長が記者会見

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会見する市田忠義書記局長=3日、国会内

 日本共産党の市田忠義書記局長は三日の定例記者会見で、非核三原則見直しをめぐる福田康夫官房長官の発言について「核兵器の速やかな廃絶を求める全世界の流れに、被爆国である日本政府の首脳が逆流を持ちこもうとするもので、許しがたい暴言だ」とのべ、福田官房長官の罷免を要求しました。

 市田氏は、非核三原則について単なる政府の政策ではなく、国会が「一切の核兵器の禁止に対する国民の悲願を体し」、「国民の総意」として決議した「国是」であり、歴代政府が「内閣が代わっても引き継がれるべきだ」と繰り返し答弁してきたことを強調しました。

 一方で、福田長官が三日午前の記者会見で「非核三原則の見直しは大きな政策転換であり、言うはずがない。『政府首脳』も慎重にならなければいけない」と、みずからの発言を人ごとのようにのべたことについて、市田氏は「ふざけた言い方だ」と強く批判。福田長官が午後には一転して「政府首脳」が自分であることを認めたことを指摘し、「不見識で許しがたい」と糾弾しました。

 非核三原則見直し発言について小泉純一郎首相が「どうってことない」と追認していることについても、「唯一の被爆国の総理大臣の発言かと多くの国民が怒りを感じているのではないか。この問題だけをとっても政権を担う資格がない」と批判。野党四党が求めている衆院有事法制特別委員会での集中審議をはじめ、国会で徹底追及していくとのべました。

中谷長官の罷免も要求

 市田氏は、防衛庁での情報公開請求者のリスト作成が自衛隊海上幕僚監部以外にも新たに発覚した問題について「どこからみても組織ぐるみの行為であったことは明白だ。防衛庁長官の責任は免れない」とのべ、罷免を要求しました。

 


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