日本共産党

2002年5月30日(木)「しんぶん赤旗」

防衛庁に抗議の質問書

身元調査問題 権利の重大な侵害

市民団体


 防衛庁が情報公開請求者の身元調査をおこなっていた問題で、市民団体の「情報公開クリアリングハウス」(右崎正博理事長)は二十九日、防衛庁に「組織体質そのものに問題がある」と強く抗議する質問書を提出しました。また、行政機関個人情報保護法を所管する総務省には、防衛庁だけでなく、他省庁もふくめた実態調査と規制・対策を求める要望書を提出しました。

 防衛庁への質問書は、身元調査リスト作成は、あきらかに行政機関個人情報保護法四条に違反するもので、情報公開請求者を委縮させ、市民の権利の重大な侵害だ、と指摘。リスト作成の目的、経緯や保管状況、閲覧者の人数、違法性の認識、再発防止策などについて六月五日までに文書で回答することを求めています。


政府の姿勢に恐怖と怒り

 防衛庁リストに「ob」(オンブズマンの意味)として載せられた大阪の市民オンブズマン「見張り番」の松浦米子・代表世話人(65)
 私たちが防衛庁に情報公開法で資料請求したのは、二〇〇一年四月十一日。地元大阪の自衛隊駐屯地の交際費・会議費等の開示を求めました。

 私たち自身は、堂々と資料請求しましたが、防衛庁に市民オンブズマンを意味する「ob」としてリストに載せられるなんてとんでもないことです。

 しかし、問題は、私たちが「開示請求書」に書かないことを、防衛庁が勝手に調べて付け加え、リストにしたということ。情報をコントロールしようとしたことです。まさに今、懸案となっている危険な法案―有事法案、個人情報保護法案―に連動しているのではないでしょうか。

 私たちはこれまでにも、公安調査庁の調査対象団体にされたことがあります。市民が情報を得ることを規制する一方で、政府が個人情報を調べ、コントロールしようとする。保護されるべき個人情報を、いとも簡単に扱おうとする姿勢に恐怖と、大きな怒りを覚えています。

 


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