日本共産党

2002年5月22日(水)「しんぶん赤旗」

瀋陽総領事館事件

日本の関与を拒否

5人の処置で中国外務省


 【北京21日菊池敏也】中国外務省の孔泉報道官は二十一日の定例記者会見で、瀋陽市の日本総領事館に駆け込みをはかり武装警察に拘束された北朝鮮住民五人が、現在も瀋陽市で中国の公安部門の取り調べを受け、「かれらの身分とその他の関係する状況をさらに確認」していることを明らかにしました。

 孔報道官は、五人の健康状態について、「たいへん良好」としつつ、女児については「法律的措置をいっさいとっていない」と発言しました。

 孔報道官はまた、「中国は現在、日本側と協議を進めていない」とのべるとともに、この問題をどのように処理するかは「中国の主権の範囲内」と強調。確認作業が終わった段階で、中国側が「国際法、国内の関連法規および人道主義の精神」で自らの判断で適切に処理するとのべ、日本政府の関与に否定的反応を示しました。

 孔報道官はさらに、現在の局面が「日本側によってもたらされたもの」と指摘つつ、日本政府にたいし中国側の調査結果の尊重を求め、この事件が両国関係の発展にとって障害とならないよう「冷静、慎重」な対応を希望しました。

「予期しない抗議受けた」

中国高官

 中国国務院新聞弁公室の趙啓正主任(閣僚級)は二十一日、都内で講演し、中国・瀋陽の日本総領事館事件に触れ、「(総領事館の)安全を守ったのに、日本側から予期しない抗議を受け、残念だ」として、日本政府の対応に不満を述べました。

 趙氏はまず、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の住民五人を連行した武装警察官の任務について「総領事館の安全を守ることで、取り押さえるのに生命の危険を冒す可能性もあった」と指摘。その上で「総領事館側の同意を受けて連行したのに、日本政府は抗議した。事実を認めず、中国は不満だ」と非難しました。

 


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