日本共産党

2002年5月20日(月)「しんぶん赤旗」

安い後発薬品使用0.64%

国立病院 高い新薬、先発品に偏重


 国立医療機関で使用している医薬品は高薬価の「新薬」や先発品に偏重している実態が十九日までに明らかになりました。これは、厚生労働省と文部科学省が、先発医薬品と効能が同じで薬価が約半分の後発医薬品の使用状況を調査した結果わかったものです。

政府調査 日本共産党指摘裏づけ

 厚労省は四月に全国で約二百施設ある国立病院を対象に調査を実施。その結果、後発品は金額ベースでわずか平均0・64%。採用ゼロの病院が二割近くありました。

 文部科学省は昨年十一月に国立大学病院の使用状況を調査。後発品を使用しているのは四十二ある医学部付属病院のうち二十一病院、十一ある歯学部付属病院のうち四病院と、半数以下にとどまっていました。

 欧米に比べ日本の後発品使用は数分の一と低いのが現状。全医薬品にしめる後発品の割合は金額ベースで5%弱、数量ベースで一割。国立医療機関はさらに低く、高い「新薬」や先発品に偏重した実態が浮き彫りに。

 日本共産党は、日本の薬価が欧米諸国に比べて二〜四倍も高いこと、とりわけ「新薬」が価格も使用比率も異常に高いことを指摘。「新薬」による大手製薬会社のぼろもうけにメスを入れることを、医療制度改革の一つとして要求しています。

 今回の調査結果はこの指摘を裏づけるものです。

 厚労省は今後、後発品使用を促す通知を出すとしています。文科省は昨年、調査と同時に通知を出しており、使用がどれだけ進んだのか、再度調査する予定です。

 後発品メーカーでつくる医薬工業協議会の榎本邦男常務理事 後発品は大きな病院では使用されていないのが実態です。国立医療機関で使用が進めば、患者負担の軽減という意味で重要だと思います。メーカーとしてもこれまで以上の品質確保、安定供給に努力していきます。

 全国薬業労働者連絡会議の荒木茂仁事務局長 私たちは医療改悪に反対し中小企業の労働者の雇用を守る立場から、後発品使用を求め運動してきました。出身大学の医局の影響下におかれる日本の医学界独特の構造があり、大学の医局で新薬や先発品を優先していれば、後発品が普及するはずがない。逆に大学で後発品を使った教育が行われれば、医療全体に後発品が普及するでしょう。

 


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