日本共産党

2002年5月16日(木)「しんぶん赤旗」

外務省報告

手紙の記載、意図的に外す

“中国への反論に不利だから”


 中国・瀋陽の総領事館事件で、警備担当副領事が、拘束された男性から亡命を求める英文の手紙をいったん受け取りながら返却していた事実が外務省の調査報告書に記載されなかったのは、同省の事務当局が、中国側への反論に不利に働く可能性があるとして意図的に外したためであることが十五日、分かりました。

 手紙の受け渡しの事実は、小野正昭領事移住部長らによる現地調査で十二日に判明しました。しかし、外務省は十三日に公表した報告書では、「日本が連行に同意していないことを中国側に反証することが目的で、起こったことすべてを書く必要はない」(幹部)との判断から、あえて除外したとしています。

 また、川口順子外相への事実関係の報告は、中国外務省が十四日に発表した後でした。

 服部則夫報道官は十五日の記者会見で「隠すつもりはなかった。外相への報告がなかったことは反省する」と述べました。

「不適切な対応」

官房長官

 福田康夫官房長官は十五日午後の記者会見で、中国・瀋陽の総領事館事件で拘束された男性が副領事に亡命を求める手紙を渡していたにもかかわらず、外務省の調査結果に経緯が明記されていないことについて「不適切な対応と言わざるを得ない」と批判しました。

 


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