日本共産党

2002年5月10日(金)「しんぶん赤旗」

中国、日本公館内で拘束

日本側抗議 北朝鮮の5人引き渡し要求


 【北京9日菊池敏也】中国遼寧省瀋陽市の日本総領事館で八日午後、北朝鮮から脱出してきたとみられる五人の市民が駆け込みをはかり、うち三人が警備の武装警官に取り押さえられ、総領事館の構内に入った二人も追ってきた警官に連れ去られた事件で、現在、五人は身元確認のため中国側の取り調べを受けています。中国側の警官が総領事館構内に入ったことについて、高橋邦夫駐中国公使は同日夕、中国外務省の邱紹芳領事局副局長にたいし、公館の不可侵を定めた「領事関係に関するウィーン条約違反」であり、「非常に遺憾」と抗議し、「関係者の速やかな引き渡し」を求めました。

 一方、中国外務省の孔泉報道官は九日の定例記者会見で、「現在の世界的な反テロリズムの背景」のもと、中国側の警官が「非合法に日本総領事館にちん入しようとした身元不明者」を連れ去ったことは「総領事館および人員の安全を保護する考え」によるものと強調し、「領事関係に関するウィーン条約の関係規定に合致している」と弁明しました。拘束中の五人については、公安当局が「身分を確認中」とのべるにとどめ、今後の対応について明言を避けました。

 瀋陽市ではこのほか、米総領事館でも八日に二人、九日に一人の北朝鮮市民が駆け込みました。


市田書記局長が談話

 日本共産党の市田忠義書記局長は九日、中国・瀋陽市の日本総領事館に北朝鮮の市民とみられる五人が駆け込もうとし、中国の武装警官に取り押さえられた事件について、つぎの談話を発表しました。

 中国側の今回の対応は、在外公館の不可侵を保障したウィーン条約に明らかに違反している。わが党は、このことを指摘し、中国側がすみやかな原状回復をおこなうことを求める。

 拘束された五人にたいしては、国際法にもとづく適切な処置がとられることを希望する。

 そのためにも、日中両国政府間で、冷静で、道理ある解決のための話し合いがおこなわれるべきである。

 


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