日本共産党

2002年4月30日(火)「しんぶん赤旗」

裏金返還も「極秘 無期限」

外務省の処理経過示す書類

責任追及の声隠す

大森議員が調査


外相「初めて見た」

 外務大臣も知らぬまま「極秘 無期限」「秘 無期限」の印を押した書類で省内の口封じ。金に困った人には貸付金まで紹介してこっそり処理――。外務省が、こんなやり方でホテル代水増し請求などによる省内の裏金(プール金)二億円余について、責任をあいまいにしたまま、課長補佐以上に一律「返還」させていたことが、日本共産党の大森猛衆院議員の調べでわかりました。

 問題になった裏金は、過去約六年半で二億円超。関与したのは、外務省の七十一の課と室に及んでいました。この問題で、外務省は昨年十一月、三百二十八人を処分したものの、「キャリア」と呼ばれる高級官僚には軽い処分でした。

 外務省は昨年十月、課長補佐以上を集め、秘密裏に省内説明会を開きましたが、参加者から「権限も持たず、預かり金に関与したことなど全くない。責任ある者の責任を追及してほしい」「納得できない」などの不満が噴出しました。

 ところが、大森議員の調べによると、外務省は、「説明会の内容は対外秘」などと省内の参加者に口封じしたうえ、全在外公館長あてに、昨年十月、当時の小町恭士官房長名で「極秘 無期限」の文書を送付。課長補佐以上の一律返還を求める「プール金」問題処理の基本方針を指示していました。

 また、前出の説明会の内容をしるした文書も、「秘 無期限」と指定していました。こうして内部の批判をおさえる一方、外務省は内部文書で、同省外郭団体の財団法人「外務精励会」の貸付制度を職員に紹介。これを裏金返済に利用できることまで示し、裏金約二億円の「国庫返納」を実行させました。

 大森議員は、さる十七日の衆院決算行政委員会で、外務省内規で、「極秘」とは、「秘密保全の必要が高く、その漏えいが国の安全、利益に損害を与えるおそれのあるもの」と規定されていることを指摘。「こういう文書がなぜ国の安全、利益に損害を与える文書に該当するのか」と、川口外相を追及しました。

 川口外相は、「(文書は)初めて見た」とのべ、大臣にも知らされていなかったことが判明しましたが、それ以上の答弁はさけました。

 大森議員は「税金を不当、不正に使っておいて都合の悪い情報は公開せず、一方的な返還金を押しつけるのでは問題は解決しない」ときびしく外務省を批判しました。

 


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