日本共産党

2002年4月28日(日)「しんぶん赤旗」

生存韓国人の合祀取消しへ

靖国神社 遺族会の申入れに


 日本の植民地時代に徴用された韓国人「軍属」二人が、生存しているにもかかわらず靖国神社に合祀(ごうし)されていることが判明。靖国神社側は二十七日、合祀取り消しの意向を表明しました。韓国人遺族らの申し入れに答えました。

 生存者合祀が判明したのは金智坤さんと李箕斗さん。金さん(81)は一九三六年に軍属として徴用され、フィリピンの山岳地帯で生死の境をさまよったすえ四五年十二月に帰国。現在も韓国で生活していますが、最近になって合祀されていることが判明しました。李さんは四三年、パプアニューギニアで戦死として処理され、五九年に靖国神社に合祀されましたが、実際は九九年に韓国で交通事故死するまで生存していました。

 この二人について靖国神社の坂明夫総務部長は「厚生省が作成した名簿で合祀してきたが、生存を証明する書類があれば霊璽簿(れいじぼ・合祀者名簿)から削除する」と答えました。同神社によれば、日本人で生存が確認されて削除した前例はあるといいます。

 この日の申し入れは、金景錫太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会会長らが行い、「(戦死者は)日本のために死を奉げたのではなく植民地支配の加害者日本によって死に追いやられた。求めるのは合祀ではなく謝罪」との申し入れ書と、遺族が合祀取り消しを求めている七十人の名簿を提出、全員の取り消しを求めました。

 同省の資料によると、靖国神社合祀者のうち「朝鮮出身者」は約二万一千人、「台湾出身者」は約二万七千人。

 


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