2002年4月28日(日)「しんぶん赤旗」
【パリ26日山田俊英】世界のサッカーを代表する選手の一人、フランス代表チームのマルセル・デサイー主将(写真=ロイター)は、仏大統領選挙第一回投票の結果について二十五日、自分のホームページで「衝撃」を表明し、「民主主義が危うい。極右のルペン氏を決選で落選させてほしい」と訴えました。
「私が願うのはただ一つ。決選投票でフランス国民が責任を取り戻し、ルペン氏に反対票を投ずることだ」というデサイー氏。「彼の党はファシストだ。彼は今ソフトに語っているが本質は何も変わっていない。攻撃的で排他的だ。彼が国家の最高指導者になるなど想像できようか。これを防ぐため全力を尽くす必要がある。今こそ理性にたちかえろう」と呼びかけました。
デサイー氏はガーナ生まれ。トップスターのジダン選手はアルジェリア人移民の二世。ルペン氏が主張する移民排斥は、仏サッカー界を破壊しかねません。
ルモンド紙二十七日付によると、「外国暮らしの身に政治は難しい。でも言い訳にはならない」(シルベストル選手)、「多くの人たち同様、私も何かしなければならないと思っている」(プチ選手)、「五人に一人がルペンに投票したなんて言いながら道を歩けない」(ジョルカエフ選手)と、エキップ・ブルー(仏ナショナルチーム)から反省と極右大統領阻止の声があがっています。