日本共産党

2002年4月22日(月)「しんぶん赤旗」

アジアの平和 害する行為

中国、韓国に批判広がる


中国

 【北京21日小寺松雄】中国の李肇星外務次官は二十一日夕、日本の阿南惟茂駐中国大使を外務省に呼んで小泉首相の靖国神社参拝に「強い不満と反対」を表明し、抗議しました。

 李次官は「アジア諸国民の強い反対を顧みない再度の参拝は、中国人民の気持ちを傷つけ、中日関係を損なう誤まった行動」であり、一九七二年の日中国交正常化時の共同声明や九五年の村山富市首相(当時)談話に背くものだと批判。日本の指導者がいついかなる形であれ参拝することには断じて反対であると述べました。

 同次官は小泉首相について、「昨年十月の訪中時には、抗日戦争記念館で日本の侵略戦争についておわびと哀悼の談話を出したではないか。その誓いがまだ耳に残っているときにこのような誤まった行動をとるとは、情、理、道徳、国際道義からしてもおよそ受け入れられるものではない」と厳しく批判。「国家の指導者が過去の侵略戦争と戦犯にたいして正しい態度をとれないで、どうして世界の諸国民の信頼を得られるだろうか」と述べました。

韓国

 【ソウル21日時事】韓国外交通商省スポークスマンは二十一日、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について声明を発表、「国内外の誰もが戦没者を無理なく参拝できる方策を検討している状況の中で、小泉首相は日本軍国主義の象徴である靖国神社を参拝した」として、「深い遺憾」の意を表明しました。

 また与党・新千年民主党や最大野党ハンナラ党は、靖国神社参拝を「北東アジアの平和を害する挑発行為」などと激しく非難。サッカー・ワールドカップ(W杯)日韓大会を約一カ月後に控え、両国間の摩擦が再燃する恐れも出てきました。

 外交通商省の声明は「過去の植民地支配と侵略によって近隣諸国に名状し難い惨禍と苦痛を与えた戦争犯罪者まで参拝することに憂慮の念を抱かざるを得ない」と指摘。「正しい歴史認識を基礎とし、日本帝国主義の侵略による被害を受けた近隣国家の感情を尊重しなければならない」と強調、小泉首相と日本政府に「誠意ある対応」を求めました。

海外通信も報道

 小泉純一郎首相が二十一日朝、東京・九段北の靖国神社を参拝したことについて、フランスのAFP通信などは東京発で「サプライズ・ビジット」(不意打ち訪問)と速報を打ちました。

 同通信は靖国神社を「A級戦犯も祭られる議論の多い神社」と指摘。小泉首相の昨年八月の参拝にも触れ、「中国と韓国からの強い非難のきっかけとなった」としています。英国のロイター通信も「不意打ち訪問」と報じ、小泉首相について「国家主義者の色合いを持つ」と紹介しました。

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp