日本共産党

2002年4月19日(金)「しんぶん赤旗」

一目で分かる医療改悪(12)

長期入院

負担重くし“出ていけ”と…


表

 改悪法案で診療報酬体系の見直しとして検討されているのは、報酬の定額化の推進と、保険外負担となる医療サービスの拡大です。医療費を減らすためです。

 保険外負担の拡大については、すでに四月実施の診療報酬改定(2・7%減)にももりこまれ、病院や診療所の経営だけでなく、患者への医療に大きな影響を与えています。

 四月改定で保険外負担が導入されたのは、長期入院への診療報酬です。同じ病気で六カ月を超えると、検査、看護、室料などを包括した入院基本料のうち報酬対象(特定療養費)となるのは85%までとしました。15%は保険外負担で、医療機関は差額として患者から徴収することになります。

 入院基本料は一日一万円程度。長期、慢性の病気をかかえたお年寄りが利用する療養病棟の入院基本料5で試算すると、一万七百二十円の15%、上図のように月額約四万八千円が負担増となります。一割の自己負担(食費含む)と合わせると、十万円もの負担となります。今年度の負担率は5%で、三年間で段階的に15%へ引き上げられます。

 負担を過重にして「社会的入院」とよばれる患者を退院に追い込むねらいです。厚生労働省では在宅を除き、介護施設で五万人程度の受け皿が必要と推計。六カ月には他の病院の入院期間も含まれ、入院経歴の調査を医療機関に義務付けています。入院経歴がすぐわかるように、「退院証明書」を患者に渡すことまで求めています。(つづく)

 


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