日本共産党

2002年4月14日(日)「しんぶん赤旗」

人権擁護法案シンポで筆坂書記局長代行

3つの問題点を指摘

救済機関の独立/労働分野/メディア規制


 公開シンポジウム「これでいいのか? 人権擁護法案」(十一日、日本弁護士連合会主催)に出席した日本共産党の筆坂秀世書記局長代行は、政府が国会に提出した人権擁護法案について、三つの問題点を指摘し、「このままでは絶対に通させない」と強調しました。

 同法案は、人権救済機関となる人権委員会を法務省の外局に設置し、救済権限を与えようとするもので、救済手続きには助言・紹介などの「一般救済」と、勧告・公表、訴訟参加などの「特別救済」があり、「報道機関による人権侵害」が「特別救済」に含まれ、メディアから反対の声があがっています。

 はじめに筆坂氏は、憲法は世界に例のないほど幅広く人権を規定しているが、わが国の人権擁護の実態は極めて不十分で、憂慮すべき状態にあると指摘。なかでも有事法制は、憲法の保障する国民の自由と権利に制限を加えることを明記しており、「いろんな条件をつけているとはいえ、自由と人権を初めて包括的に奪おうとするものだ」と強調。国民の自由と人権をどう守っていくか、有効な人権救済機関をどうつくっていくか、真剣な対応が求められていると発言しました。

 人権擁護法案の問題点について、筆坂氏は人権救済機関の独立性は避けて通れない課題だと強調しました。人権救済機関の事務局を法務省がにぎるということは、人権を侵害する側が擁護する側の仕事もするということで、真剣に人権擁護の立場にたつとはとてもいえないとのべました。

 二番目の問題として、法案が労働分野の人権侵害を除外している点をあげました。筆坂氏は、諸外国の人権救済機関が労働分野を中心的課題に入れていることを紹介し、サービス残業や過労死が横行する日本で労働分野をはずせば「大骨をはずすことになる」と指摘しました。

 筆坂氏は、三番目にメディア規制の問題をあげ、マスメディアによる人権侵害が少なからずあり、メディア側の対応も率直にいって不十分だと指摘し、自主的とりくみに強い期待を表明しました。そのうえで、人権を守り腐敗を追及してきたメディアの役割にもふれ、「言論・表現の自由」「報道の自由」を守っていくことの重要性を強調。法案の「特別救済」の対象からメディアの人権侵害を除外すべきだと発言しました。

 


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